演習 2005

 

            演戯とコミュニケーション

 今年のテーマは「演戯」そして「コミュニケーション」。イメージと言葉によって成立するメディアである映画や演劇を素材に用いて、その中で演じられるコミュニケーションの様態を観察し、その意味や内容を分析し、自己表現と他者理解のための方法の様々な可能性を探っていこうという試みです。私たちの現実の身体の働きによって、思考、技術、行動などが具体的に展開され、それらが物や言葉という表象を分布して、眼に見える世界を形成していく過程を、映像を通して考察することで、コミュニケーションにおける広義の「演戯」の役割、その言語能力について理解を深めていきたい。映画や演劇の映像体験を共有し、様々な意見を出し合い、大いにディスカッションし、研究発表によって考察を深めながら、人間の「演戯」の可能性を探り、「コミュニケーション」を現代の私たちが生きる複雑な記号的世界として実践的に捉え直していくことが目的です。

中村ゆり    『まぼろし』Sous le sable
石川詠美子  『エイプリルの七面鳥』Pieces of April
坂本千紘    『イン・アメリカ』In America
砂原明子    『憎しみ』La haine
鮫島令奈    『12人の優しい日本人』
大石はるか  『フォーン・ブース』Phone booth
伊藤文美    『暗くなるまで待って』Wait until dark
池森藍子    『ビフォア・サンセット』Before sunset
溝口優     『東京物語』
前田望美    『新7つの大罪』より「怒りの罪」Les 7 peches capitaux, la colere
姫野詩歩子  『サトラレ』
三宮麻衣    『スペーストラベラーズ』
長尾紘子    『ピアノ・レッスン』The piano
浦隆浩     『PARTY7』
森智章     『グッド・ウィル・ハンティング』Good will hunting
中尾ふみ    『花とアリス』