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平成28年司法試験最終合格発表を受けて

 2016年9月6日に、法務省より平成28年司法試験の結果が発表されました。総受験者6899名に対する最終合格者1583名(昨年は1850名)中、本学法科大学院修了者の最終合格者数は4名でした。合格は、何よりも修了生一人一人の努力の成果ではありますが、同時に学内外の皆様より本学法科大学院に賜ったご支援の賜物です。心よりお礼を申し上げます。本学の受験者36名中の合格者4名という数値は、最終合格率でみると11.1%で、「全国平均20.7%の1/2」(様々な場面で指摘される数値)を、わずかではありますが、上回ることができました。本年度の入試の実質競争倍率において2倍を確保し、また、入学者も70%を超えていたために、文科省の法科大学院に対する補助金についての昨年の「第3類型」(本年度の補助金カット)から「2階級特進(?)」して「第2類型のB」となり、結果として補助金額は70%が復活することになります。これは資金面のみならず、法科大学院としての位置づけに関係してきますので――学校や教育をこのように数値化することには疑問も残るところですが――一応喜ばしいことだと感じています。
 これで本学は、今年度までの法科大学院の累積修了生260名に対して63名の最終合格者(予備試験合格者1名を含む)を出したことになります(合格率24.2%)。また、コース別にみると、法学既修者22名中12名が、法学未修者238名中51名が最終合格者となりました(それぞれの合格率は54.5%、21.4%)。既修者に比べて合格率が低くなっている法学未修者の合格率を向上させるために、2012年度から入門科目を創設しました。その成果が問われるのはもう少し後になるかもしれませんが、実際に効果が生じてくれることを願っています。 今回の最終合格者についてみると、2014年度修了生4名でした。出身大学別で見ますと、琉球大学1名、東京大学1名、福岡大学2名で、学部別では、法学部卒業生が3名、経済学部卒業が1名となっています。最終試験合格者の皆さんには、今後本学で学んだことを生かして本学出身者らしい良き法曹として活躍してくれるものと期待しております。
 さて、最初にも述べましたように、残念ながら本学の修了生の合格率はここ数年低迷しているといわざるを得ません。今回の結果で見ても、近隣の大学の合格者数(九州大学36名、熊本大学4名、福岡大学6名、鹿児島大学1名、久留米大学0名)と比べても決して多いとはいえません。これらの事態に対応するために、これまで定員削減、カリキュラム改訂、GPAによる進級・修了判定制度の導入等の努力をしてきました。また、昨年は2回目の外部評価(学外の有識者に本学法科大学院の諸制度を評価してもらい改善意見を拝聴する制度)を受けました。同評価においてはおおむね良好な評価を得たものの、いくつかの検討・改善すべき点の指摘をも受けましたので、そのご指摘をも踏まえつつ、可能な限り改善の努力を粘り強く続けてゆくつもりでおります。今後とも皆様方のご支援をお願いする次第です。  

2016年9月
西南学院大学法科大学院長 小山雅亀

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