私が法曹を目指したきっかけは、テレビで少年事件に取り組んでいる弁護士の姿を見たことです。そのテレビ番組のなかで、少年が事件を起こす根本の原因は、家庭環境等、少年自身では如何ともしがたい事情にあるとの説明がありました。私自身、家庭環境が原因で非行に走りかけた経験があったので、罪を犯した少年と当時の私の姿が重なり、決して他人事とは思えませんでした。そこで、私も、自身の経験を生かして、テレビで見た弁護士のように少年事件にかかわりたいと考えるようになりました。
　私は３回目の受験で司法試験合格を果たすことができたのですが、合格するまで時間がかかったので、その間モチベーションを維持し続けるのは大変でした。勉強したくないと思う日も当然ありましたが、一日でも勉強しない日があると、そのままだらけてしまいそうな気がしたので、とりあえず学校へ来て勉強ができるよう、拡大ＯＨや勉強会には積極的に参加していました。法科大学院修了後も先生方が勉強会を開催してくださり、拡大ＯＨへの参加も快く受け入れてくださったので、そのおかげでモチベーションを維持したまま勉強し続けることができました。
　また、学生同士でも頻繁にゼミを組み、毎日学校へ来なければならないような環境を自分で作っていました。辛くなったときは学生同士で励まし合い、時には先生方に鼓舞していただくこともありました。一人では、ここまで頑張ることができなかったと思うので、支えてくださった先生方、一緒に勉強してくれた他の受験生たちに、心から感謝しています。
　私は弁護士を目指して西南学院大学法学部へ入学したのですが、学部の時は単位を取ることに必死で、司法試験に向けた勉強をほとんどできませんでした。そのため、法科大学院に入学してからわからないことばかりでした。自分は法曹に向いていない、司法試験なんて合格できるはずがないとネガティブになり、本気でこの道を諦めようと思ったこともありました。
　また、司法試験になかなか合格できず、先の見えない受験生活に不安を抱いたこともありました。ですが、司法試験に合格して思ったことは、辛いこともたくさんあったけど、最後まで諦めなくて本当に良かったということです。最後まで諦めずに努力し続ければ、いつか必ずその努力が報われる日が来ると思っています。