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司法試験合格者の声

田中 廣樹さん

法学既修者コース  2012年3月修了

 

 他大学の法学部に何となく入学し、何となく卒業した私であったのですが、司法制度改革の一環として法科大学院が設立されたことを知り、「これだ!」と思い、本学への入学を決意しました。当時商工会の経営指導員という職にあった私は、小規模零細事業者の苦境を経営指導のみでは解決できないという悩みを持っており、法律の専門的知識を経営指導に生かすことに活路を見出したのです。しかし、大学院設立当初に謳われていた合格率の高さに油断し、結局3度の司法試験には失敗。その間、闘病しながらも私を応援してくれていた母も失いました。
 それでも法曹への道を諦め切れなかった私は、悩みながらももう一度法科大学院に入学することを選びました。そして、本学の先生方の熱心なご指導、事務局の親身の対応に惹かれ、また本学の門を叩きました。先生方、事務局の職員の皆様は、出戻り(?)の私に、変わらず親身になって下さり、私を導き、サポートして下さいました。その結果、今回ようやく合格することができ、今はほっとしています。
 今、本学での合計5年間を振り返ると、司法試験はやはり基本が重要であるという一言に尽きると思います。まずはできるだけ早い時期に基礎固めをすべきでしょう。そのためには、実直に基本書を読み込み、それをアウトプットし、先生方や仲間に見てもらい批判を受ける。初学者であっても、やさしい問題を「書く」練習は1年次から取り組むことを勧めます。法的文章を書く力を身に付けるには、書くこと、そして批判を受けることが近道です。そのためには積極的にゼミなどを組み、ともに競い合う仲間を持ちましょう。その上で、大学院の3年間(ないし2年間)においては、ぜひとも受験科目以外の授業に取り組んでもらいたいと思います。限られた時間であるし、受験科目に集中したい、という気持ちは分かります。しかし私は、評価される論文とは深い経験や多様な知識に裏付けられた説得力のあるものだと考えます。そして限られた時間の中でそれを得る機会として、法律科目以外の授業はとても効果的です。私は、夏休みに「弁護士実務実習」という授業を選択し、地元で活躍されている弁護士の先生に付いて様々な事件を見ることができました。これは、非常に有意義な経験であったし、またモチベーションの向上にも役立ちました。
 私が、5年間という長期間にわたり司法試験合格に向けて勉強を継続できたのは、本学設備を含む環境の良さだけではありません。充実した選択科目カリキュラム、一緒に切磋琢磨し合える仲間との出会い、そして何より先生方、事務局の職員の皆様のご指導、サポートあってのことです。
 法科大学院の進学を考えている学生や社会人の皆さんには、このような恵まれた環境の中で、司法試験の合格を目指す仲間とともに、勉学に励んで頂きたいと思います。きっと心に残る、何物にも代えがたい経験を得ることができるでしょう。

[2012(平成24)年10月記す]

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