院長コラム 聖書の一節から

はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。(ヨハネによる福音書12章24節 新共同訳)

イエスが語ったとされるこの言葉は、十字架の意味を暗示しています。避けることのできない死、それ自体は何の意味があるのか、死によって全ては無意味になってしまうのではないか、との問いは人の心に暗い影を落とします。しかし、イエス・キリストが歩もうとされる十字架の道は、決して無意味に終わることはない、否、豊かな実を結ぶ新しい時の始まりなのだ、と聖書は語ります。2019年12月4日、敬愛する中村哲先生が凶弾に倒れたという報に接し、学院関係者のみならず、先生を知る人は大きな衝撃を受けました。私自身もまた、卑劣な犯行に対する憤りと、人のまごころの通じないことへの深い悲しみに襲われました。しかしやがて、中村先生はまさにイエスが歩まれた道を歩んだのだ、と思うようになりました。中村先生の人生は、まさに「西南よ、キリストに忠実なれ」という建学の精神を生きた人生でした。

西南学院 院長 今井尚生

西南学院 院長

今井(いまい) 尚生(なおき)

“一粒の麦”について

「一粒の麦」は、イエス・キリストが言われた「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒の麦のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ」を語源としたものです。広い世界の中で、西南学院は「一粒の麦」であり、西南学院で学ぶ一人ひとりもまた「一粒の麦」と言えます。「一粒の麦」が持つ可能性を信じ、社会のために尽くしていくことこそが創立者の思いであり、今もなお大切に受け継がれています。

School Organizational Chart1万人を超える学生、生徒、児童、園児が通う西南学院。

西南学院は、保育所・幼稚園から大学・大学院までを擁する全国でも数少ない総合学園です。

保育所から大学院まで一貫した理念に基づいて、保育、教育を実施しています。※データは2023年2月現在

  • 西南学院大学

    西南学院大学

    学生数:約8,200人

    1949年開設。人文・社会系総合大学です。開学当時からキリスト教に基づく人格教育を実践してきました。また、1971年に他大学に先駆けて国際交流制度を導入し、外国語教育をはじめとする国際教育の充実・向上を図っています。

    長年にわたって培われてきた伝統は、社会的に高く評価されており、同窓生たちは、九州の経済界をはじめ、教育、マスコミ、法曹、福祉など多方面で活躍しています。

  • 西南学院中学校・高等学校

    西南学院中学校・高等学校

    【高等学校】生徒数:約1,300人

    全学年、毎日1限目から7限目まで7時間の授業が行われています(月曜のみ8時間)。多様化する大学入試にも対応できるように、習熟度や進度の違いに配慮して授業を実施しています。

    知識の習得はもちろん、物事の善し悪しを判断する知恵と「自分にしてほしいことを隣人に行う」という積極的な生き方を身に付け、それをいかに社会で生かしていくかを学びます。

    【中学校】生徒数:約650人

    一人ひとりが授かった能力や個性を最大限に伸ばすことができる教育を目指し、中高一貫教育を実施しています。

    6年間にわたるゆとりあるカリキュラムと恵まれた環境の中で、生徒たちが自ら考え、自発的に学ぶ姿勢を身に付けると同時に、聖書の学びやクラブ活動、国際交流、ボランティア活動等を通して、豊かな人格形成ができるように配慮した教育を実施しています。

  • 西南学院小学校

    西南学院小学校

    児童数:約420人

    2010年に開校した、西南学院の中で最も新しい学校です。心身ともに成長著しい小学校の課程において、キリスト教の精神に基づいた教育理念のもとに「隣人愛を育む」「知恵を育む」ことを目標として、平和な未来を創る子どもたちの育成に努めています。

    環境に配慮して設計された校舎内は最新の教育機器を備えており、教育の質的向上が図られています。

  • 西南学院舞鶴幼稚園

    西南学院舞鶴幼稚園

    園児数:約170人

    福岡市内で最も歴史のあるキリスト教主義の幼稚園です。「心ゆたかでたくましいひかりのこ」を目指して、太陽と土と水と緑に触れながら感性豊かに育ち合う子どもたちを育成しています。

    一人ひとりの子どもの気持ちをくみ取ることができるよう、各クラスを複数担任で受け持っています。思いやりの心を培いながら、個性豊かにのびのびと生きていく力を育む保育を実践しています。

  • 西南学院早緑子供の園(保育所)

    西南学院早緑子供の園(保育所)

    園児数:約100人

    0歳児から5歳児までの園児が長時間生活する場として、家庭的な雰囲気ときめ細かな育児を心がけています。

    「神様に愛され守られて成長していく一人ひとりの子どもを大切に」というキリスト教を礎とした保育理念を柱に、子どもたちが神様の深い愛に包まれている安心感を持ちながら、生きる力の基礎となる心の土台を育んでほしいと願い、保育を進めています。

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