2020年度 第4回 心理学科主催講演会が開催されました
[イベント]
本日、第4回目の心理学科主催講演会がオンライン形式で開催されました。
今回は、東京成徳大学の石村郁夫先生に、「ポジティブ心理学とセルフ・コンパッション」というテーマで、ご講演いただきました。
突然ですが、つらい、苦しい、という状態に直面したとき、以下に示す1と2のどちらが「ポジティブ」な対処法だと思いますか?
1.「そのことは忘れよう、なんとかなるさ!」と、見て見ぬふりをする。
2.失ったものについて悲しんだり、うまくやれなかったことに対する責任は自分にあると受け入れる。他方で、自分のせいではないことでつらい目にあったときには、自分のせいではないと受け止める。
ご講演の中で、ポジティブ心理学では、「2」を「ポジティブ」と考えると教えていただきました。ポジティブになることで、「自分は次にどうするべきか」を考えることができるわけですね。
ただ、言うは易し、行うは難しです。
なぜなら、物事をネガティブに考えることは、将来失敗しないための重要な戦略でもあるからです。
だからこそ、ポジティブな考え方をするための訓練が必要で、それはある種「筋トレ」のようなものである、というお話は印象的でした(ただし、「合う・合わない」があるので無理は禁物!)。
続いては、「セルフ・コンパッション」に関するお話でした。
Compassionとは、思いやり、深い同情などと訳されることもありますが、共に(com)、苦しむ(pati(ent))という言葉から成り立っています。自他の苦しみに気づき、それを取り除こうと行動することがCompassionであり、それを自分に向けるのがセルフ・コンパッションなのだそうです。
人はネガティブな状態へと陥りやすい生き物ですが、このセルフ・コンパッションを高く保っている人は、そうした状態になるのを防ぐことができる、という先生のご研究を紹介いただきました。
映画の例などを挙げて解説してくださり、とても分かりやすかったですね。
ご講演を通じて、「将来は今の自分の行動によって変えられる」、「思いやりを自分に向けることが大切なんだ」という希望のあるメッセージを受け取ることができました。参加者にとってもこの講演が、自分を大切にするきっかけになったことと思います。

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