心理学科カレンダー

2023/02/15

ゲートキーパー研修を開催しました ー小川ゼミ活動報告ー

心理学科では3年生になると一つのゼミに所属して活動します。

小川ゼミでは「『聴く力』と『話す力」を養う」ことをテーマにしていて、この2年間では特に試行カウンセリングに取り組んでいます。
今回は、今年度最後のゼミということもあり、卒業研究を書き上げたばかりの4年生とこれから進路選択の道を歩む3年生、そして大学院臨床心理学専攻小川ゼミの修士1年生の合同ゼミを行いました。

テーマに選んだのは「ゲートキーパー」です。
ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守ることができるひと(厚生労働省)のことです。特に自殺を防ぐための命の門番(Gatekeeper)として私たちひとりひとりが行動を起こすことが大切です。

今回、福岡市精神保健福祉センターの自殺対策係から古里百合子先生にお越しいただき、ゲートキーパー研修を行いました。

ゲートキーパーとはボールをしっかりと受け止める存在であり、一人で抱えることなく専門の相談機関につなぐための「架け橋」のような役目をするのです、とおっしゃっていました。これまでにも教師やお坊さん、床屋さんやスナックのママさんといったさまざまな方からの要望でこの研修を開かれてきたそうです(床屋さん!ときいてなるほど!と思った方は鋭いです!)。

そうです、ゲートキーパーは医療や心の専門家でなくても学ぶことができ、実践できて、かつ悩みを抱える人の言葉に耳を傾ける大切な役割があるのです。

古里先生は現場での経験を交えながら学生にわかりやすい言葉で実践的なお話をしてくださいました。
「自殺」というセンシティブなテーマですが、お話のほとんどは命の問題に真摯に向き合うことだったように感じます。講義の後にシナリオに基づいたロールブレイの時間もあって、参加した学生はちょっとした言葉の違いでこうも印象が変わるものだと実感したようです。このロールプレイも学生の受けるインパクトの強さを考慮しつつ学ぶことができるように工夫されていました。最後の方では悩んでいる人に対してだけでなく、支援者としての自分の心のケアも大切にすることにも触れていただき、学生たちも真剣にかつ楽しみながら研修に参加していました。

緊急事態宣言発出中はこうして対面でゼミ生が集まることもままなりませんでした。今回は学部学生だけでなく大学院生も交えて縦の交流がほんの少しできました。来年度も引き続きゲートキーパー研修を取り入れて、ますます「聴く力」と「話す力」に磨きをかけてもらおうと思っています。

心理学科 Facebook 心理学科の催しや情報を発信して
います。
心理学科 Twitter 心理学科のお知らせやイベント情報
などを
つぶやいています。