元国連職員の野田先生が目指す
国際的エキスパートの育成
世界に貢献できる人材を育てる!
「世界に貢献できる人材を育てること」を目的に、2006年に西南学院大学で開講された「国際協力論」。国連職員を講師に招くという、前代未聞のスタイルで行われた講義は、毎回3分の1が英語だったにも関わらず、300人を超える受講生であふれていたといいます。その立ち上げに大きく寄与されたのが、当時、国連人間居住計画・アジア太平洋本部長だった野田順康先生。その野田先生が2013年度から、国際関係法学科の教授として再び教壇に立つことになりました。
中長期かつ国際的な視点で国際貢献できる人材を輩出
腰を据えて指導にあたれるようになった今、目指しているのは「年に50人の国際的なエキスパートを育てること」。具体的な数字でいうと英検1級、TOEIC900点レベルに挑戦できる学生を1年に50人ほど送り出したいと考えているそうです。その目的は「西南学院大学の学生は6,7割が地元に残るということですから、まさに福岡経済の中核となっていく人たちが大勢いるわけです。これから福岡は国際事業に乗り出していかなければいけませんが、現状では福岡に国際的なエキスパートはとても少ない。だからこそ、西南から少なくとも年に50名程度のエキスパートを、10年間は出していきたいと思っています。そうすれば、500人ぐらいのかたまりができて、それだけで国際ビジネスができるようになりますからね」と熱い思いを語ります。
実際の貴重な経験に触れられる他では得難い授業
野田先生の「国際開発論」や「国際協力論」などの講義は、まさにそこへ通ずる大きな一歩となりそうです。なぜなら講義の7割は英語(振り返りの部分のみ日本語)だから。それと同時に、国連職員として数多くの紛争・戦争を見てきた野田先生はこうも諭します。「法律は枠組みを作る学問で、魂を入れる必要があります。魂を入れるのは誰か。それは運用する人のことで、常にその人たちの立場にたつ必要があります。今の日本は形式主義化していて、メンツを繕ったり、実態を十分に反映していない法律を散見しますが、もっと現場で困っていることをどう解決して処理していくかを考えられる質実な社会にならないといけない。学生たちには実態をきちんと理解し、人類愛の立場にたって法律を学んでほしいですね」と。
野田先生の元で学ぶ法律や英語は、単なる知識の詰め込みでは終わりません。それらが身の周りの人々や地域、日本、世界を幸せに導く術になることに気付かせてくれる、実のある時間となるでしょう。