2025年度法学部基礎演習合同ディベート大会が開催されました。
7月11日及び15日に『2025年度法学部基礎演習合同ディベート大会』が開催されました。法学部の1年生に皆さんが、入学後に基礎演習で取り組んできたディベートの集大成となる、クラス対抗のディベート大会です。
今大会のモーションは、「受刑者にも選挙権を認めるべきである」です。現在、参議院選挙期間中ということもあり、タイムリーな話題になっており、2022年には、長野刑務所に服役していた受刑者が、次回選挙の投票可能を求めるほか、国会の立法不作為として国家賠償を請求するなど、世の中でも問題視されている問題です。それぞれのチームで協力し、情報収集、立論作成、意見交換をしながら、短い期間で質の高いディベートに向けて励みました。
議論が開始されると、与党は受刑者にも選挙権を認めるべき、野党は受刑者には選挙権を認めるべきではないという立場で議論が進んでいきました。与党は、受刑者とは、無期刑などではない、社会復帰が見込める受刑者に絞ると定義づけ、受刑者の参政権を制限することは憲法の基本的人権を侵害していること、他国からの評価や、他国で受刑者に参政権を認めた際のメリットなどを示していました。他国と刑罰制度が違うから、他国の実績は参考にならないという反駁があった際にも、定義で社会復帰の見込める受刑者としていることから、一部の受刑者に参政権を認めるとする柔軟な対応をみせ、非常にレベルの高いディベートを展開していました。また、野党側からは、子育て世代や若年層の一票の影響力が薄れることや、受刑者向けの政治家の出現など、ユニークな視点からの主張を、しっかりとした根拠となる条文やデータを示し、非常に質の高い主張となっていました。両チームから多くの条文や、規約、データを用いた主張や反論が繰り広げられ、見ているオーディエンスにもわかりやすく伝えることができており、情報収集のレベルの高さを感じ、しっかりと準備してきた努力が伺えました。また序盤からポイントオブインフォメーションが見られるなどして、相手チームへの敬意や、議論への積極的な姿勢がうかがえました。
表彰式では、どのチームも結果に一喜一憂し、ディベートを行っていたメンバーだけではなく、同じクラスの仲間たちや、SA、教員も結果に大いに喜び、非常に一体感のあるクラス、メンバーになっていたと感じました。また、各先生方の講評の中でも、どのディベートでも非常にレベルの高い議論が繰り広げられていたことが分かり、今年の1年生のレベルの高さと、準備、話し合いの密度の高さが感じられました。
今回、私はSAとしてディベートを見学しましたが、私たちが1年生の頃にこれほどまでに準備され中身の詰まったディベートを行うことができた自信がないほどに優秀なディベートの数々でした。このような経験は、今後彼らの学生生活、就職活動、そして社会に出てからも必ず役立つものになると確信しています。これからの彼らの成長と活躍に大に期待しております。本当にお疲れさまでした。


