新しいことに挑戦したい。
それがアイデアの出発点。
 社会課題に対する学生の新たな取り組みやアイデアを支援する西南学院大学のプロジェクト「学生創発プロジェクト2024」。4年次の春、残りの学生生活で何か新しいことにチャレンジしたいと思っていた矢先、ゼミの髙橋聡教授の「参加してみたら?」という一言を受け、本プロジェクトへの参加を決意しました。エントリーしたプランは、「天神トイレ&ゴミ箱マッププロジェクト」です。多言語に対応し、スマホで誰でも簡単に情報を得られる、公衆トイレおよびゴミ箱のデータマップを開発したいと、ゼミの同期4人、後輩3人の計7人でスタートしました。立案の背景にあったのは、コロナ後のオーバーツーリズムによる街の衛生問題です。屋台文化がある福岡ですが、夜間に使えるトイレが不足していることや、街の中のゴミ箱が少ないことによるポイ捨てなどが問題視されています。そこで、福岡・天神の街の衛生問題を解決する取り組みを通して、アジアの中心都市を目指す福岡の観光産業に寄与したいと企画しました。6月には書類審査、次に最終審査でのプレゼンテーションを経て、無事採択されることが決定。現在、採択後に支給される20万円の活動資金を元手に、プロジェクトを進めています。
プレゼンや天神エリアのトイレの調査など、プロジェクトの様子
今は地図に必要な情報を
地道に足で稼ぐ日々。
 現在は、天神にあるトイレやゴミ箱の情報を集めています。男女ペアで天神エリアに足を運び、トイレの場所や状況、ゴミ箱の位置を地道にリサーチ。トイレに関しては公衆トイレのほか商業施設のトイレも含め、温水洗浄便座やバリアフリートイレの有無、清潔度のレベルなどのチェック項目を実際に目で見て調査しています。当初、専用アプリの開発を想定していましたが、学内でプログラミングができる人をなかなか見つけられず、一旦は次善策としてGoogleのサービスを用いてブラウザ上で地図を作成することに。そのため、年内は情報量を増やすこと、サービスの精度向上に専念し、専門アプリの開発は来年以降後輩に引き継ぎ、プロジェクトを継続する予定です。
 将来的にはマッププロジェクトの枠組みを超え、福岡市に有料トイレや有料ゴミ箱の設置を見据えています。現在、日本では無料の公衆トイレが一般的ですが、世界に目を向けると、観光客が多く混雑するエリアでは有料化が進んでいる国や地域もあります。無料で使えるトイレのほかに、清潔で管理が行き届いている有料トイレがあると深夜帯でも安心して使えるなどメリットがあると感じています。
他大学との研究交流で、
学びへの意識が180度変化。
 このプロジェクトの立ち上げ時は、就職活動との両立で大変忙しい時期でした。それが分かっていても挑戦したかったのは、過去に苦い経験があったからです。それは、ゼミ活動の一環で大学3年次の冬に行われた京都大学、一橋大学との共同研究発表会での出来事でした。テーマは、財務諸表を用いた企業分析。他大学の学生たちは、真剣かつ楽しそうな上に、発表も堂々としていました。さらに、彼らの研究の着眼点、思考の深さなど、あらゆる部分に感銘。一方、私たちは緊張や不安に飲まれ、他大学と比較すると発表内容も主体性も十分ではないことを思い知らされる結果となりました。私たちは準備段階から企業分析を体系的に進めることで精一杯。好奇心や探究心で突き詰めるというより、終わらせることを目標にしていたような気がします。この差を埋めるために何が必要なのか…。行き着いた答えは、自ら動き、楽しみ、場数を踏むことでした。私も大学4年間で真剣に向き合ったと思える経験がしたい。そんな思いから、この「学生創発プロジェクト」に参加しました。
 元々、私はチームの先頭に立つようなタイプではありません。しかし、今回代表としてまとめ役を担うこと、何もないところから1つのプロジェクトを生み出すことなど、人生初のことをたくさん経験できました。チームのみんなに支えられたことが深く心に残っています。
 卒業後は、西日本シティ銀行に入行する予定です。高校の頃から憧れていた銀行員への道。大学で得た経験を生かし、福岡の街と企業に貢献できる人へと成長していきます。
福岡で働く銀行員に欠かせない英語力を磨く。
アジアの中心都市である福岡の銀行で働く上で、さまざまな国籍の方と意思疎通を図ることは大変重要です。そのためにも、英語力は必要不可欠。高校時代に英検2級まで取得しましたが、大学ではあまり勉強できていないため、残りの学生生活で英語力向上を目指します。
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