好きなことを
全力で追究した大学4年間。
 私が放送局で働きたいと思い始めたのは高校生の頃。表現すること、伝えることが好きだったことから自然と放送業界を意識するようになりました。
 学生時代は、自分の興味関心のあることにエネルギーを注いだ4年間でした。学生スタッフとして参加した地元・福岡のFMラジオでの番組制作や学内でのアナウンスメント研究会のサークル活動では、プロの方と一緒に仕事をする機会も多く、大きな刺激をもらいました。また、何事も自分で確かめたいという性分のため、グルメ本片手に飲食店を片っ端から食べ歩きしたことも。現場に行き、自ら体感することを楽しみながらやっていた経験は、今の仕事のベースになっています。
目指すのは、
見た人に新たな気付きを
与えられる番組づくり。

本番直前まで原稿やテロップを入念にチェック。

 現在はテレビ局の報道部に所属し、熊本県内で放送しているローカル情報番組内のニュース枠の編集長を務めています。その日、熊本で何が起きたのかを伝えるため、記者やカメラマンに取材指示を出し、取り上げるニュースの時間配分や順番などを決定します。記者が書き上げた原稿のチェックやテロップの確認も仕事です。想定外の事件・事故で緊急の対応をすることもしばしば。何事もなく本番を終えられた時は、毎日のことながらほっとする瞬間です。
 入社5年目からは、ドキュメンタリー番組も制作しています。さまざまなヒト・コト・モノにスポットを当て、長期にわたる取材撮影を行い、30分や1時間などの番組にまとめます。日々のニュースでは「点」でしか伝えきれないことも1本の番組として届けることで、見た人に世の中で起きているさまざまな出来事や人々の営みを感じてもらい、何かを考えるきっかけになることを願って制作しています。
 また、昨年は縁あって映画監督にも挑戦。熊本在住の10人の子どもがいる夫婦の21年を追ったドキュメンタリー映画「人生ドライブ」を製作しました。映画はナレーションではなく、映像で語るものであることを学び、テレビとの違いを実感。見た人の反応がダイレクトに届く映画ならではの魅力を知ることができた貴重な経験となりました。

さまざまな人の人生を見聞きし、
私の人生も濃く、豊かなものに。
 取材活動を続けていると、「人の人生におじゃまさせてもらっているな」と感じることがあります。どんなに短いニュースでも人が関わり、その先に誰かの人生がある。自分の人生だけでは経験できないようなことを経験してきた人たちと出会い、直接話ができることは本当にありがたく、私の人生を豊かにしてもらっていると実感します。
 一方、報道する者としての役割を考えることも。先日担当した同性婚の裁判では、男性カップルがどんな思いで生きてきたかを知るきっかけになりました。多数派の声が世の中に影響を与えがちですが、障がい者やLGBTQ+などマイノリティーと言われる人たちの声に耳を傾け、世の中に発信していく。「私自身には問題を解決する力はないけれども、映像を通して発信することで世の中が変わるきっかけになれば」という想いを胸に、これからも取材を続けていきたいと考えています。
 学生の皆さんには、自分で決めて動く経験を積極的にしてほしいです。SNSなど周りに流されて何かをするより、自分で決めて行動する方が断然楽しい。自分で決めたからこそ得られる楽しさを手に入れる経験をしてください!
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