今、私は、…学業に加え、スポーツやボランティアなど、さまざまな活動に熱心に打ち込む、学生の日常に密着。輝く姿の裏側にある努力と苦悩、そして熱い思いを、今ここに。 環境保全活動・ボランティア活動 外国語学部外国語学科3年 塩谷 菜々子さん

海のごみの多さに驚愕。
思った以上に深刻なごみ問題。
 皆さんは海に遊びに行った時、海岸に落ちているごみを見たことはありますか?私は大学1年次に初めてビーチクリーンに参加した時、集まったごみの多さに愕然としました。レジ袋やペットボトル、サンダル…。「こんなものがなぜここに?」というものばかりです。海洋プラスチックごみ問題は深刻で、2050年にはごみの重量が、魚の重量を超えるとまで言われています。
 とはいえ、私も実際に行動に移したのは大学入学後です。自然豊かな福岡県糸島市で生まれ育った私にとって、海も山もとても身近な存在。小学生の頃はよく海へ遊びに行き、海洋生物を見るのが好きでした。しかし、ある時から砂浜に点々と落ちているゴミが気になるようになり、自分の住む町の環境について意識し始めました。私にとって海は心をリセットできる場所。高校生の頃、進路に悩んでいた時に、よく母が海に連れて行ってくれました。そんな大切な場所を守るために私にできることは何か。それが行動を起こすきっかけでした。
未来を担う子どもたちにも
環境問題を分かりやすく発信。
 1年次から参加している学外の学生団体「maiPLA(マイプラ)」は、環境の保全や啓発、町づくりに関する活動を行っています。例えば、ビーチクリーンのイベントでは糸島市や宗像市などの海へ行き、子どもから大人まで幅広い世代の方々とごみ拾いをします。拾ったごみは仕分けをし、啓発活動の一環でアート作品づくりに挑戦することも。作品を目にするたび、海洋プラスチックごみが環境を脅かしていることを再認識させられます。
 最近では環境啓発活動にも力を入れ、夏休み期間中には小学校高学年生向けに糸島漁業協同組合や地元の方々の協力を得て、「魚さばき教室」を実施。イベントでは、企画立案をはじめ、料理研究家の先生の出演依頼、会場の手配、告知のリーフレット作成などの準備が想像以上に大変でした。特に、講義内容をどうやったら分かりやすく、かつ楽しく伝えられるかに苦悩…。さらに、他のメンバーと、時折意見が分かれることがあり、その度に意見をまとめる大変さも実感しました。しかし、イベント終了後には、保護者の方から「子どもが海を守りたいと言ってくれた」とうれしい声をいただくことができ、企画して本当に良かったと感じました。
 環境問題の解決策として、子どもへの教育は最重要だと感じています。未来の主役である子どもたちが、環境問題を自分ごととして捉え、それが1人2人と増えていくことが、未来への希望につながると信じています。
外国語学部社会貢献プロジェクト「FLS-Outreach@壱岐」に参加。塩谷さんはグループのリーダーを務めた。
学部のプロジェクトで壱岐へ。
壱岐の自然からも学びを深める。
 現在、ゼミでエコクリティシズムについて勉強しています。エコクリティシズムとは、環境問題を文学・芸術の視点から考察する学問です。そうした学部やゼミでの学びを社会に還元したいと思い、今年の夏休みには外国語学部の社会貢献プロジェクト「FLS-Outreach@壱岐※」に参加しました。このプロジェクトは、発表者が設定したテーマに共感する人々が集まって語り合いながら交流するもので、当日は市民の方や高校生に向け、私たちのゼミの活動をプレゼン。壱岐の自然環境や地域性からも学びを得ながら、人間と環境の関係について地元の方と一緒に学ぶ良い機会となりました。
 環境問題に取り組んで3年目。ゼミでの学びや学部プロジェクトへの参加は、この問題への知見を深めることにつながっています。これからも私なりに楽しみながら環境問題に取り組んでいきます。
※「FLS-Outreach@壱岐」とは、学部での学びを学生が主体となって社会に還元することを目的とした外国語学部独自の社会貢献プロジェクト。今回、その第一弾としてエンゲージパートナー協定を締結している壱岐市の協力を得て、プログラムが実施された。
環境問題に対する
ハードルを下げ、
多様な人々とともに
考える場を持ちたい。
今後は世代や国籍を超え、楽しい体験を通して環境問題について考えられるようなイベントを企画したいと思っています。外国語学部での学びも生かしながら、海外の方など多様なバックグラウンドを持つ方の考えにも触れ、私自身の見識も広げていきたいです。そして、環境問題に対するハードルを下げ、多くの人が自分ごととして考えられるよう、何かお手伝いができたらと考えています。
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