教員紹介

法律学科 : 小林 博志

法律学科 小林 博志 教授

高校生へのメッセージ

 法律学は調整の学問とも言われています。人間関係の調整に役立つし、努力をすれば資格取得にもつながります。難しいけど、やりがいのある学問なので、ぜひチャレンジしてください。初めはわからなくても、1,2年すれば専門用語にもなれて、面白くなっていくはずです。

Profile

研究分野
行政法
研究分野に関する
キーワード
行政法、行政組織法、行政庁、権限、行政紛争、行政救済、調停的解決
研究テーマ
行政組織の権限、行政紛争の解決方法

小林 博志 先生の
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日本の行政法を学ぶとともに
日本を外から見る経験をしよう

明治政府の思想が反映された行政法

 松山に居た頃、演劇人との交流もあった小林博志先生は、国と国民の間にある法律関係を指標した『行政法』を専門にされています。この行政法には、明治期に日本政府がどういう方向性で国を作っていくのか、ヨーロッパのどの国を模範にするのか、といった思想が反映されているそうです。また行政法の一つである行政手続法や情報公開法は、先進的なアメリカやドイツから30年も遅れてようやく制定されました。

人間の権利として国と対等であるべき

 具体的に行政法が及ぶのは、例えば空港周辺の騒音問題、行政に対する情報公開や税金、出国管理など、わりと生活に近い場面です。しかし、日本人が行政を訴える件数は、わずか5000件/年間ほど。しかしフランスやドイツは、10倍の5万件、韓国でも1万件に及ぶといいます。国に対して権利を主張する文化がないのと同時に、国と対等に争えるだけの条件作りもされていないというのが、小林先生の見解。沖縄などでは、米軍の騒音問題が日常化していますが「米軍はアメリカの統治だからといって、そこで我慢していますね。でも、騒音は実際に起こっている問題。人間の権利として(訴えられないのは)どうなのかと思いますね。あれだけ騒音がひどいなら、もっと訴訟起こして戦ってもいいと思うけど、条件作りが遅れているから、これでは勝てないんです」と嘆かれていました。

外から日本を見よ

 ゼミ生には、将来、行政法を執行する公務員志望者が多く在籍しています。そのゼミ生に、小林先生はできるだけ多くの体験や世界を見るように促しています。西南に来る前の大学では、玄海原子力発電所や刑務所、韓国の戦争博物館などを訪れ、見たもの、感じたことについて議論し合ったそうです。さらに小林先生は「日本を外から見る経験をした方がいいですね。出国するということが大事。できれば一人がいいけど、マイナス面があるので、パッケージツアーなどでも構わないですよ」と、海外へ渡航することを薦めています。そしてもう一つ、こんなアドバイスもありました。
 「学生さんには本を読めといっているんですけどね、必ず付けくわえて言っていることが『わからなくても、1ページから終わりまで読むんだよ』ということです。そうしないと読了感ありませんから、読み切ることを大切にしてほしいですね」。