2022.06.06

弁護士・西口竜司先生による新入生歓迎講演会が
開催されました。

 2022年6月6日、法学部生むけに新入生歓迎講演会が開催されました。講師は、寺院法務からAI法務まで多様な職務を遂行されている弁護士の西口竜司先生です。主に1年生に向けて、法学を学ぶ意義や弁護士業務の内容等について、熱いご講演をして頂きました。

 まず、西口先生からは、法律が過去から現在までの英知の集大成であり、それを学ぶ重要性が示されました。法律は現実社会を規律するものである以上、その改正は頻繁になされ、改正された内容を学ぶことが常に重要となります。ただ、日本の法律はローマ時代から用いられてきた海外の法律を参考とした部分もあります。そのため、法律を学ぶことは、法的ルールを単に身につけるだけでなく、そのルールの背景に横たわる過去からの英知もまた学んでいることになります。我々はこれを常に意識しながら、深く・広い視野での学びを進めることが重要となることを、民法の事例を通じてお示し頂きました。

 このように、法律を学ぶ重要性はありながらも、その学習には困難や注意点もあるということを、次に、ご説明いただきました。法律は、社会の様々な事象に適用され、多様な問題を解決する基準となります。そのため、法律は、広く用いることができるように、法律上の言葉を抽象的に設定しています。そのため、その言葉はときに理解に難しさを伴います。そこで、我々は、法律上の言葉の意味を厳密かつ慎重に確定しながら、その活用は妥当な結論を目指してなされるべきであるとの心構えを、民法・刑法の事例を通じて、ご教示いただきました。

 とはいえ、社会の価値観は日々変化するため、そのような変化に合わせて、法律やその意味の確定作業もまた内容を変化させていく必要があります。このような視点につき、近時の憲法判例に触れながら、ご説明を頂きました。なお、実務において、法律の読み方や考え方の変化をもたらすことは、弁護士の先生方の職務の一端であることが語られ、西口先生の裁判所における訴訟のご経験などもご紹介いただき、受講者は驚きと笑顔の表情をみせていました。

 最後に、法曹になるためには法科大学院への入学を要し、大学院での学びや資格取得には様々な壁を突破する必要性があります。しかし、西口先生からは、どのような道にも壁が待ち受けている以上、法曹の世界へ通じる道に迷わず飛び込んでほしいとのエールを送っていただきました。講演会後も、活発な質疑応答がなされ、受講者の法律学習に対する意欲を刺激する講演会となったようです。

法学部