西南学院大学の短編物語 西南の風  
Vol.1 西南学院の一日圏内 Vol.2 日本人は、「それ」が苦手 Vol.3 博多と福岡がクロスする街で Vol.4 ふたりのよく似たアメリカ人 アンケートフォームへ   home  
日本人は、「それ」が苦手
2007年国際競争力ランキング

ビジネスの場でのスピーチやプレゼンテーションを「英語」ですること。日本人は得てして、それが苦手です。グローバル化がすすむ今、国際的な場で活躍できる人材の育成は急務です。スイスの研究機関が発表する「国際競争力ランキング」で、日本は24位。その要因のひとつに外国語教育への評価が低いことが挙げられています。「言わなくてもわかる」から「わかるように伝える」。今や国際語といわれる英語の論理的思考を身に付けることは、これからますます日本人に求められます。
西南学院は創立当初から、外国語教育にひときわ力を入れてきました。昨年、ヘラルド朝日の英語論文コンテストで西南学院の学生が上位入賞しましたが、その背景にも私たちの外国語教育への取り組みがありました。文学部藤本滋之教授は、こう指南しています。「日本人の英語論文が相手に伝わらないのは、『起承転結』の構成に合わせようとすることが原因のひとつです」。では、それをどうすれば「わかるように伝える」ことができるのでしょう…?

            *    *    *
やさしく書ける英語論文

『やさしく書ける英語論文』
藤本滋之/著より

本学で導入しいてるオンライン作文評価システム「CriterionSM」。論文を送信するとたちまち添削結果が返信される。学生が自由に利用できるため、主体的、自発的な取り組みが促される。

CriterionSM
西南学院大学留学生別科で日本語や日本事情を学ぶ学生たち。

西南学院大学留学生別科で日本語や日本事情を学ぶ学生たち。

ヘラルド朝日の英語論文コンテストで入賞したのは文学部外国語学科英語専攻
2年の市来菜穂美さん。彼女は論文で、茶道を学んだ経験について語りました。

茶道が含む日本文化の「美しさ」「静けさ」「伝統」の3つの要素を、実体験を交えて英語論文のスタイルにのっとって表現しました。彼女に指導を行ったのが藤本教授でした。

          *    *    *

藤本教授は英語論文の基本構成についてこう語ります。「欧米の理論では『起承転結』は通用しにくい。英語論文は結論を最初にもってくる決まった構造があり、アメリカでは大学1年までにこの形式を徹底して教え込まれます」。日本の表現様式に縛られずに、欧米の理論スタイルに順応し表現することが求められるのです。

東アジア地中海

これを踏まえ、「結論を最初に宣言し、そのあとから結論を支持する本論を展開

する型がある」と指導しています。

市来菜穂美さん

2006年度ヘラルド朝日主催の英語論文コンテストで優秀賞を受賞した文学部外国語学科英語専攻の市来菜穂美さん。

          *    *    *

こうした指導とあわせ、文学部では、英文学科、外国語学科で、英語論文サポートシステムを採用しています。オンライン作文評価システム「CriterionSM」。インターネットを通じて、論文を送信するとすぐにコンピュータによるスコアと、スペリング、文法、論文基本構成などが採点されて返ってくるシステムです。学生がいつでも自由に利用できる、いわば英語論文の「自主トレーニング」。授業での指導と共に、こうしたシステムの導入により、学生たちは確実にライティング・スキルを伸ばしています。

          *    *    *

また、今年4月には学内で「言語教育センター」が始動しています。ここでは全学部の学生を対象に外国語教育に特化した教員を配置し、オーディオ、ビデオ、インターネットなど、あらゆる学習メディアを使って外国語を学べます。新しい言語教育システム「CALL(Computer-Assisted Language Learning)教室」や、各種メディアライブラリも充実。これらの施設は、授業はもちろん自習に活用できます。
さらに1971年から実施している国際交流プログラムでは、8か国23大学と協定を結び、活発な交流を行っています。夏季・春季休暇中に実施される短期語学研修も毎年多くの学生が参加し、異文化に触れ、国際感覚を磨く貴重な体験となっています。

          *    *    *

学生たちの自発的な学習のため環境を整えること。それに対して、学生が自ら語学力を鍛える姿勢を身につけ、「国際語」を話し、国際社会に貢献できる人材を育成すること。西南学院は今後、英語やフランス語はもちろん、中国語、韓国語など、アジアの言語にも力を入れていきたいと考えています。
母語以外の言語でも臆せずスピーチやプレゼンテーションが出来る力をつけるためには、単なるスキル習得だけでなく、文化、生活、発想や思考スタイルなど、言語の背景にあるものへの理解が不可欠です。回り道に見えても、苦手の克服には結局それが一番の近道なのです。

【ご参考】
●国際交流プログラム
http://www.seinan-gu.ac.jp/kokusai/index.html


●藤本滋之ゼミ紹介 
http://www.seinan-gu.ac.jp/spirit/back_num/2005spring/front/index.html

 

シリーズ広告『西南の風』についてアンケートを実施しています。
お答えいただいた方に、西南学院大学の限定オリジナル・グッズを送付させていただきますのでご協力お願い致します。

アンケートフォームへ
SEINAN GAKUIN UNIVERSITY
[お問い合わせ] 〒814-8511 福岡市早良区西新6-2-92
西南学院大学 企画広報課 kikaku@seinan-gu.ac.jp
Copyright(C)2007 Seinan Gakuin University All Rights Reserved.