西南学院大学の短編物語 西南の風  
Vol.1 西南学院の一日圏内 Vol.2 日本人は、「それ」が苦手 Vol.3 博多と福岡がクロスする街で Vol.4 ふたりのよく似たアメリカ人 アンケートフォームへ   home  
西南学院の一日圏内
日本近海域の逆さ地図

日本近海域の逆さ地図。

小川雄平教授

小川雄平教授。

釜山の街並み

1965年の日韓国交正常
化当時は、人の往来は
年間約1万人。いまでは
1日1万人を超える。
写真は釜山の街並み。

 

世界地図を逆さにして見てみます。すると、ヨーロッパが意外に小さく見えたり、インド洋が案外広く感じたりと、普段とは違う印象がします。日本のあたりに目をやると、大陸との距離がとても近く、日本列島が日本海や東シナ海を覆っているような形に見えます。ちなみに西南学院大学のある福岡は、大陸からほど近く、近海沿いの都市はすべて「一日圏内」にあると言える距離。

東アジア地中海

「東アジア地中海」と地中海の位置関係。 ほぼ同じ緯度に位置する。

釜山までなら飛行機で50分ほどです。

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西南学院大学商学部の小川雄平教授は、この日本海と黄海、東シナ海とつづくひとつながりの日本近海域を「東アジア地中海」と名付けました。「ロシアの天然ガスをパイプラインで朝鮮半島を経由して日本まで引いてくれば、そのパイプライン沿いに連帯意識が生まれますよね。利害をともにする『経済圏』がここに誕生するのです」。
この海域は、おおむね地中海と同じような緯度に位置し、同じくらいの面積なのだそうです。意外な一致です。しかし、なぜまたこの海域を「地中海」になぞらえたのでしょうか?

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彼がこの海域を地中海に見立てたのは、決して緯度や大きさに則して例えただけではないのです。キーワードは「汚染」でした。「地中海沿岸は、海洋汚染を巡る取り組みで手を結び、利害を共有する仲間として一丸となった歴史的経緯があるのです。そこで、その経緯になぞらえて、この東アジア地中海をひとつの『経済圏』として利害関係で結び、団結してはどうかという提言なのです」。(小川教授)
たとえば、ロシアで天然ガス発電を行い、中国、朝鮮半島、日本へと送電ルートをつくることで、エネルギーの共同体が誕生します。あるいは、分断された南北朝鮮の鉄道とシベリア鉄道とがつながれば、物流の共同体ができあがります。
すなわち、この「東アジア地中海」に利害を共有する経済圏をつくることは、この地域に経済的な発展と平和とをもたらすことになるのです。

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この「東アジア地中海」、福岡を拠点にしておおむね「一日圏内」にあり、経済圏が実現した暁には、西南学院大学はこの地中海の中枢に位置することになります。大陸への玄関口です。経済を核とした交流が、ここを拠点に生まれます。
「交流のためには、実際に彼の地へ行ってみることです。行ってその土地の人々とふれあうことでしか、交流も平和も生まれません」(小川教授)。

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古賀ゼミの学生たち。
討論会の翌日は慶州の仏国寺へ観光。

仏国寺

この秋、国際関係法学科の古賀衞教授のゼミ生は、高速船で釜山へ出向き、東亜大学の学生たちと合同ゼミを実施。国際「テロリズム」の問題をテーマに英語で討論会を行いました。ゼミの後は、焼肉で懇親会。その後E-mailで親交を深めた学生たちは、来年、韓国からのゼミ生を迎えるそうです。近いからこそ、ゼミ単位での交流も可能。「若い時に異文化に触れ、多様な価値観を知ることは大事。西南学院の学生は、福岡にある地の利を存分に活用するといい」(古賀教授)。空、海の交通手段と利便性の高まりとともに、西南学院の一日圏内はこれからもますます広がるでしょう。

【ご参考】
●小川雄平教授紹介
http://www.seinan-gu.ac.jp/spirit/back_num/2000winter/now/index.html

●法学部HP(古賀衛ゼミ東亜大学訪問) 
http://www.seinan-gu.ac.jp/jura/home04/top01.htm

   
 

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