2018.01.08

フェアトレード講演会が開催されました。

 2019年1月8日(火)、フェアトレードの商品を扱うネパリ・バザーロの高橋百合香さんを本学にお招きし、「フェアトレードを通して考える:共に生きるということ」というテーマで講演会が行われました。

 フェアトレードとは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することで、生産者の生活向上をはかる取り組みです。本講演会では、ネパリ・バザーロの活動や高橋さんのフェアトレードに対する思いが語られました。

 ネパリ・バザーロの創立者である土屋春代さんは、元々はネパールの教育支援を目指し、活動をスタートされました。しかし、横たわる深刻な貧困問題に直面し、ネパールの人々が本当に必要としているのは寄付ではなく、仕事の機会であると気づき、ネパールの人々の仕事の機会創出のため、1992年にネパリ・バザーロを創立されました。ネパールに足を運び、顔を合わせて商品についての話し合いを重ねることで、ネパールの人々との信頼関係を築き、より高品質なフェアトレード商品を開発されています。ネパリ・バザーロでは、ネパールや国内でのフェアトレード事業を行う営利事業のほかに、NPO法人ベルダレルネーヨによって、ネパールや国内での支援活動を行う非営利事業も行っています。ベルダレルネーヨでは、過去に東日本大震災やネパール大地震の支援などを行っています。

 ネパリ・バザーロのスタッフは商品をつくる際、作業効率やコスト削減を求めるのではなく、いかにその商品にかかわる人を増やすか、ネパールや農家の人々が自立して仕事を続けるにはどうすればいいかなど、生産者のことを最優先に考えています。これからは、福島やネパールでの活動も続けながら、平和産業による仕事づくりを目標とする沖縄での「カカオプロジェクト」や、化粧品や食品に力を入れて、関わる誰もが幸せになるものづくりを目指しているそうです。

 今回、私は高橋さんの講演を聞いて、仕事のすばらしさに気づかされました。日本では仕事に苦痛を感じている人も多いと思いますが、仕事の話をする高橋さんは本当に楽しそうで、とても輝いていました。実際に高橋さんも、ネパールの人々に仕事の機会を与え、向き合って一緒に仕事をしていく中で、女性たちはどんどん明るく綺麗になっていく、とおっしゃっていました。仕事をすることで生きがいや希望、誰かに必要とされる喜びや誇りを感じることができるからだそうです。そんな人たちを見ていると、もっと頑張ろうと思える、とおっしゃっていました。生産者への心遣いや信頼関係、人と人とのつながりを大事にすることで、こんなにもぬくもりのある商品をつくることができるんだ、と心を動かされました。私も高橋さんのように、本当に自分のしたいことは何なのかを探し、日々挑戦し続け、自分が輝きながら人を笑顔にすることのできる素晴らしい仕事に出会えるよう、努力していきたいと思います。

 

 

記:仲野 有咲(法学部国際関係法学科)