西南学院大学 神学部

神学部の概要

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使命と目的

神学部の使命と目的(ミッション・ステートメント)

 神学部は、西南学院創立者である米国南部バプテスト派の宣教師C.K. ドージャーの「西南よ、キリストに忠実なれ」という建学の精神に基づいて設立された西南学院大学の中にあって、キリスト教精神の本質を究明するとともに、この精神を担い、精神文化の形成、倫理・道徳の向上、平和と福祉の促進に貢献する人間を育成することを目的としている。この目的を達成するために、神学部は神学コースとキリスト教人文学コースの2つのコースを置き、キリスト教界の指導者、教会の伝道者・牧師などの専門職業人の養成、ならびにキリスト教精神を基盤とする社会人の養成を行っている。

 今日、社会の多様化や複雑化ならびに学術研究の高度化にともない、専門分野における教育・研究のさらなる多様化と高度化が求められている。このような社会的な要請を踏まえて、キリスト教神学専門分野における高度専門職業人の養成を目的として、大学院「神学研究科」の設置を見た。これを機に、神学部は、西南学院の召命、即ち、その存続の要件に関わる「キリスト教伝道者養成」(1992年11月26日付けの「学校法人西南学院寄附行為変更にあたっての確認書」参照)の目的実現に向けて、一層邁進し、自らのアイデンティティー確立のために、神学コースとキリスト教人文学コースに関わる具体的な使命と目的を以下のように定める。

【西南学院大学神学部教授会2005年2月22日制定】(2006年5月9日一部修正)
I.神学コース
  • 1.神学コースは、神が全世界を創造されたことに応答し、被造物と共に生きることを目指して、その祝福・平安・保全に対する責任を担う人間を育成する。
  • 2.神学コースは、イエス・キリストが神の言であり、私たちの生の中心であるとの信仰を基礎にする。この基礎に立った学びの共同体として、絶えざる神学研究と伝道者・牧師の養成を行う。
  • 3.神学コースは、キリストのからだである教会に仕える人物を育成する。教会は被造世界における神の臨在を言葉と行為をもって証言するよう召し出された神の民である。
  • 4.神学コースは、バプテスト教会によって生み出され、育まれ、教会の働きと証を強めるために捧げられた機関である。それ故に、神学部は、宣教と奉仕の文脈として、信仰生活における聖書の中心性、万人祭司性、各個教会の自主・独立と協力・連帯、信条の固定化への批判、政教分離等のバプテストの伝統を尊重する。
  • 5.神学コースは、キリスト信仰とそれに基づいた精神的・知的自由とを教育・研究の基礎とする。それ故に、霊性と実践を重んじ、真理に対して開かれた探究を肯定し、宗教的、知的多様性を踏まえた対話の精神を育てる。
  • 6.神学コ-スは、国籍、人種、出自、性別等の違いによる差別をせず、世界に開かれた教育・研究共同体の形成を目指す。
  • 7.神学コースは、学問的訓練と奉仕の経験の密接な関連を重視して、奉仕を人間の経験のあらゆる位相に関係づけるように努める。
  • 8.神学コースは、献身者にその召命を批判的に吟味するよう促す。それを通して知的、情緒的、意志的統合を目指して霊的訓練を行い、キリストの共同体の責任的役割を忠実に果たす奉仕者へと成長することを願う。具体的には以下のような目標を設定する。
    • a.聖書の学びに精通する。
    • b.信仰の歴史的・神学的問題、特にバプテストの信仰理解に精通する。
    • c.聖書に根ざし、キリストにおいて立証された福音の優れた解釈者・説教者となる。
    • d.魂の配慮に知恵と愛をもって当たる牧会者・教育者となる。
    • e.他者と共に生きる自立的信徒の形成において、信仰と生活の統合をはかる霊的な奉仕者となる。
    • f.平和・人権の課題に取り組む教会の指導者となる。

II.キリスト教人文学コース
  • 1.キリスト教人文学コースは、教会の内と外とを問わず、広く歴史・世界に働かれる神のわざに仕える。大学は歴史的にキリスト教会とその神学から生まれたものであり、人間とその文化はキリスト教的伝統からして良く理解可能であり、ここにキリスト教人文学の意味がある。
  • 2.キリスト教人文学コースは、キリスト教神学を基盤として、幅広くキリスト教の思想内容や現象形態を哲学、歴史、文学、芸術・音楽等との対話を通して学ぶことをその使命・目的としている。換言すれば、キリスト教人文学は、人間文化の一形態としてのキリスト教を諸学、特に、人文学の領域との関連において広く研究する分野である。
  • 3.キリスト教人文学コースは、その教育・研究を通して、職業人としての基礎的な人格形成に資すること、あるいは将来の学術的研究の基礎づくりに資することを目的とし、深く、かつ幅広い教養を身につけ、豊かな国際感覚と社会奉仕の使命感を持った人間を社会の種々の領域に送り出すことをその使命とするものである。
  • 4.キリスト教人文学コースは、イエス・キリストの解放の福音に根ざす、開かれた神学部キリスト教人文学コースとして、国籍、人種、出自、性別等の違いによる差別をしない。以上のことを念頭にして、キリスト教人文学コースは具体的には以下のような目標を設定する。
    • a.人類の共通財産である聖書の学びに精通する。
    • b.諸学、特に、人文学の領域の諸科学と対話しながら、人間と世界を正しく理解する。
    • c.卒業後、職場、継続研究機関、家庭などの場で、成熟した社会人として生きるために、幅広い教養を身につけた人格を形成する。
    • d.キリスト教信仰の普遍性を踏まえ、国際感覚豊かな、社会奉仕の使命感を持った人間となる。
    • e.イエス・キリストの解放の福音から押し出されて、平和を創り出し、人権を護るために積極的に行動する人間となる。

 

神学部による全国展開の公開講演会

 神学部は、日本バプテスト連盟全国壮年会連合と協力して全国展開の出張公開講演会を開催しています。北海道から沖縄まで、毎年2カ所、全国13のバプテスト地方連合と沖縄を巡回する形で、2名の神学部教員が全国に出かけ、あるいはZoomを利用し、それぞれの専門分野についての公開講演を行なっています。 派遣教員は神学部教授会が決定し、講演会の地域と場所は全国壮年会連合連絡協議会の場で協議・決定されます。 この公開講演会は全国の諸教会に神学部を身近に感じてもらうよい機会となっています。