Wnn6 for Linux/BSD Ver.3.0 の構成

システム構成

本製品は Linux および BSD 系ＯＳで稼働する「日本語かな漢字変換システム」です。
その構成は、辞書引きを行う -wnnds- とかな漢字変換を行う -jserver- からなるサーバ部分と、ユーザが入力処理を行うクライアント部分からなる「クライアント／サーバ方式」で構築されています。
クライアント／サーバ方式とは、ネットワークを利用して複数のユーザが１つのアプリケーションを効率的に使用する形態をいいます。Ｗｎｎ６では、かな漢字変換を行う jserver がネットワーク上の１つのマシンにあることで、複数のクライアントからのかな漢字変換の要求を処理することができます。

かな漢字変換の変換文字列の候補群は、辞書情報によって持っています。
辞書は、システム（固定形式）辞書とユーザ（登録可能形式）辞書に分類されます。この登録可能形式辞辞書には逆変換（漢字⇒かな変換）をサポートする逆引き形式のものもあります。
辞書のエントリである変換文字列に対して、個々のユーザが頻度情報を持つことにより、それぞれのユーザにとっての変換効率を向上させます。
また、辞書コンバータ otow を使って、ＡＴＯＫ７、ＡＴＯＫ８、ＶＪＥ‐ｄｅｌｔａ、ＥＧＢＲＩＤＧＥのユーザ辞書ファイルを、Ｗｎｎ６でも活用することができます。

ファイル構成

Wnn6 for Linux/BSD システムのディレクトリ構成は、標準で次のようになっています。



上図の各ディレクトリ下に設置されるファイルについて、以下に解説します。

（参）

"ja_JP" というディレクトリ名は、国際化対応の中で「日本語」を対象としていることを示しています。 また、[5] の "usr"ディレクトリは、Wnn6 for Linux/BSD のインストール内容には含まれていません。各ユーザによる登録などの単語操作の結果を反映するディレクトリです。

No.	ファイル名 (実行形式)	内 容
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/wnnds	辞書引きサーバ
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/jserver	変換サーバ
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/wnnaccess	サーバへのアクセスを制御する
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/wnnstat	変換サーバの使用者状況を見る
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/otow	辞書コンバータ
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/wnnkill	変換サーバを終了する
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/wnntouch	辞書の inode を合わせる
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/atod	テキスト形式辞書→データ形式辞書
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/dtoa	データ形式辞書→テキスト形式辞書
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/wnnoffline	オフライン学習
[1]	/usr/local/bin/Wnn6/udmerge	登録語自動反映（注）

（注）

udmerge は wnnoffline から自動的に起動されるオブジェクトです。udmerge単体では起動させないでください。

No.	ファイル名	内 容
[2]	/usr/local/lib/wnn6/serverdefs	Ｗｎｎ６ライブラリのサーバとの 接続環境設定ファイル
[2]	/usr/local/lib/wnn6/offlinerc	オフライン学習の初期化ファイル
[2]	/usr/local/lib/wnn6/udmergerc	登録語自動反映の初期化ファイル
[3]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/hinsi.data	品詞管理ファイル
[3]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/jserverrc	jserver の初期化ファイル
[3]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/wnnenvrc	かな漢字変換環境初期化ファイル
[3]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/*.msg	メッセージファイル
[4]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/iwanami/ *.dic	システム（固定形式）辞書 （データ形式）
[4]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/iwanami/ fisd	ＦＩ関係システム（固定形式）辞書
[4]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/iwanami/ kougo.fzk	付属語情報データ
[5]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/ ユーザ名/ud	ユーザ（登録可能形式）辞書
[5]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/ ユーザ名/fiud	ＦＩ関係ユーザ（登録可能形式） 辞書
[5]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/ ユーザ名/muhenkan	ユーザごとの無変換学習（登録可能 形式）辞書
[5]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/ ユーザ名/bunsetsu	ユーザごとの文節切り学習（登録可 能形式）辞書
[5]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/ ユーザ名/*.h	ユーザごとの頻度情報 （ＦＩ関係ユーザ頻度情報を含む）
[6]	/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/otow.format/ *.fmt	辞書コンバータで使用する各ＦＥＰ ごとの書式ファイル

ここで提示しているファイルのパス名は、初期設定のものです。 初期化ファイル jserverrc wnnenvrc の中でそれぞれ次のパスについて設定を行っています。 なお、wnnenvrc はクライアントが kinput2 である場合にのみ使用されます。 /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic jserverrc のエントリ jserver_dir で指定されています。 /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/iwanami/*.fzk wnnenvrc のエントリ setfuzokugo で指定されています。 /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/*.h /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/ud /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/dic/usr/fiud wnnenvrc のエントリ setdic で指定されています。