世界がキャンパス 私の留学STORY 外国語学部外国語学科 4年 松崎 陽菜さん (福岡雙葉高等学校出身)

国内で国際交流に挑戦し、
留学に行く“体力”を養う。
 「言語を習得することが目的ではなく、言語を使って何をするかが重要である」。このことを理解したきっかけは、高校生の時に経験したパンデミックでした。オーストラリアに留学に行く予定が突如中止。留学のチャンスが奪われ、時が止まったようでした。その後大学へ進学し、国内でできる国際交流やボランティアに挑戦。ハーバード大学など世界トップクラスの学生と九州の学生が、現役高校生のためにグローバルキャンプを開催する「On Your Mark!」という団体では、学生カウンセラーとして高校生をサポートしました。また、SGS(SEINAN Global Society)にも所属し、さまざまなイベントの企画運営にも挑戦。こうした経験の中で、英語の上達そのものではなく、「私は英語を使って何をしたいのか」を意識するようになりました。そこで、もともと関心があったジェンダー問題を学びたいと思い、LGBTQ+についてアジア有数の寛容な国として知られるタイへ留学することを決意しました。
“当たり前”が崩され、
柔軟さが芽生えていく。
 留学の目標はタイ人と仲良くなること、異なる文化や価値観を理解し、視野を広げることです。現地では、大勢の留学生と一緒に授業を受けることになると思っていましたが、観光学部の留学生は私1人。常に私の発言に注目が集まり、最初はとにかく緊張しました。また、1年を通して蒸し暑いタイでは、教室をエアコンでキンキンに冷却するのが日常。到着後すぐに気温差で体調を壊して2週間寝込むという、波乱の幕開けとなりました。
 陽気な学生が多く、私が唯一の日本人という物珍しさもあり、よく話しかけてくれました。留学生活に慣れた頃にはすっかり打ち解け、大変なことがあっても彼らの優しさに何度も救われました。一方で、タイ人特有のマイペースさに戸惑うことも。先生の都合で1時間授業が遅れることや、突如休講になることもあり、当時留学と並行して就職活動をしていたため、予定の変更が頻発。この経験は、約束を守ることに対する無意識の時間への強いこだわりや、自分の“当たり前”に気付く機会となり、柔軟さや他者理解の姿勢を身に付けることができました。その結果、今まで踏み出せなかったことにも挑戦できるように!海が大の苦手だった私がダイビングのテストに挑戦し、ライセンスを得たこと。未経験だったカヤックのインストラクターのボランティアに挑戦したこと。挑戦によっていろいろな人と出会い、新たな世界を知ることができました。また、関心があったジェンダーの問題についても、LGBTQ+の人々が自然と受け入れられている光景を目にし、社会的な寛容さを実感。制度的な不十分さはあるかもしれませんが、タイの人々の他者理解の姿勢に感銘を受けました。
 しかし、反省点もあります。知識不足のため、タイの友人たちに日本の文化や風習をうまく伝えられませんでした。次にタイに行くまでに自国についての理解や学びを深め、日本の魅力を伝えたいと思います。卒業後は、まちづくりの基盤となる金融業界に進みます。タイでの経験を糧に、未知なる環境に臆せず、学びと挑戦を続けていくつもりです。そして近い将来、タイと日本の架け橋となれるように頑張ります!
何を学びましたか?
 観光学部では、「レストランサービスとマネジメント」「バリスタカフェマネジメント」など観光業が盛んなタイならではのカリキュラムを座学と実技の両方から学びました。海が大の苦手でしたが、「海洋観光」の授業ではダイビングの資格を取得しました!
大学がある街の雰囲気は
どんな感じですか?
 私が通っていたキャンパスは自然豊かな場所にあり、寮も敷地内にあって学生が勉強に集中できる環境です。大半の学生はバイク移動をしていた中、私は免許がないため食事や買い物に行く時は少々不便でしたが、現地の生活への適応力が身に付きました。
留学中の印象的な
エピソードはありますか?
 タイでは、クラスの中にトランスジェンダーの学生が当たり前に在籍しています。男性同士、女性同士の交際に関しても特別視されることはなく、LGBTQ+の人たちがごく自然に受け入れられている点が印象的でした。そこで、今までであれば女性に「ボーイフレンドはいるの?」と聞いていたところを、「パートナーはいるの?」と表現を変え、無意識下の決めつけのような発言に気を付けるようになりました。
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