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進路選択の決定打は
友人の助言と自身の経験。 -
「先生」という仕事を意識し始めたのは小学生の時です。母が幼稚園の先生をしていたことや、昔から年下の子たちと接する機会が多かったこともあり、子どもと関わる仕事に自然と関心を持ち始めました。高校3年生の進路選択のタイミングでも、教員への思いは薄れることなく、西南学院大学の児童教育学科へ進学。ただ、小学校か幼稚園か、どちらの先生になりたいかはなかなか決断できず、大学3年次に小学校へ、4年次には幼稚園へと、両方の教育実習に行きました。特に小学校では4週間かけてさまざまな学年を見ることができ、とても有意義な経験に。後々、この経験が功を奏すことになります。
4年次の前期、進路を選択する期限が近づいてきます。ちょうどパンデミックが発生したばかりのタイミング。先の見えない不安に世界中が混乱していました。緊急事態宣言も発出され、人と密に関わることが許されない状況下で、1人悩む日々を送っていました。そんな時、私を救ってくれたのは、同じ道を志す友人たちとの電話でした。また、実際に先生として働いている先輩方のリアルな現場の声も、重要な判断材料になりました。そして、小学校の教育実習での経験が決定打となります。小学生は1学年変われば驚くほど成長することを実習で体感。改めて、子どもたちの成長を6年間見守れる仕事に魅力を感じ、小学校教員になることを決意しました。これは、小学校、幼稚園と両方の教育実習の経験があったからこそ、自分の思いと照らし合わせて比較し、導き出せた悔いのない決断だったと思います。

若松さんが受け持つクラスの授業の様子。
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真剣に向き合う姿勢は、
子どもたちにもきっと伝わる。 -
石丸小学校に赴任して4年目。現在受け持っているのは3年生のクラスです。各教科の授業に加え、給食や掃除、登下校など学校生活全般の指導にあたっています。教壇に立つ際に大切にしていることは、1人の人間として子どもたちと真摯に向き合うことです。
赴任1年目で受け持ったクラスでは、子どもたちそれぞれが課題を抱えていました。1人に向き合う時間を割くと、ほかの児童を置いてけぼりにしてしまうのではないか…と、気持ちだけが空回りし、うまくいかないことばかりでした。しかし、分からないなりに真剣に一人ひとりの思いに耳を傾け、相手を理解するために私自身も心を開き、対話を続けました。すると、少しずつ解決の糸口が見え始めたのです。子どもたちがどんな思いを抱えているかを理解し、なぜこの事態が起きてしまったのか、そしてどのように解決につなげていくのかを、彼らの気持ちを尊重しながら考えていくことの大切さを痛感しました。年齢も立場も違う彼らの思いをくみ取ることは容易ではありません。しかし、難しいからといって問題から目を背けないこと。この考えは、高校、大学と続けたチアリーディングで培った部分も大きいと思います。仲間(=児童)を信じ、嫌なこと、大変なことから逃げない。真剣に向き合う姿勢と思いは、きっと子どもたちにも伝わっていると思います。
登下校時に児童と笑顔で挨拶する若松さん。

登下校時に児童と笑顔で挨拶する若松さん。

3年2組の児童全員がクラスメイト宛てに書いたメッセージ。
楽しむこと”にも一生懸命に。
その経験が財産。
私は何をするにも、まずは自分が楽しむことを大事にしています。特に学生時代は“楽しいこと”に注力できる貴重な時間でした。仲間たちとチアリーディングに打ち込んだ日々は、共に目標に向かって汗を流し、真剣にぶつかり合った時間です。楽しいことばかりではありませんでしたが、好きだからこそ続けられたと思います。皆さんも自分の可能性を広げるためにさまざまなことに挑戦し、未来につながる素敵な学生生活を送ってください。
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