自己紹介
福山はるき
西南学院大学1年生です。
お菓子が大好きです!
福山はるき
西南学院大学1年生です。
お菓子が大好きです!
食事の他に食べる嗜好品。米、小麦、豆を主材料とし、
砂糖、乳製品、鶏卵、油脂、香料などを加えて作る。
甘未や塩味など味覚強調し、あるいは食感など触感に工夫し、
各種のにおいで嗅覚など食味感覚の嗜好品として製造、調理された
食品。一般に穀類の粉を練り焼くあるいは蒸すなどしたビスケット
や饅頭、糖質を主体としたキャンディーやチョコレート類、
アイスクリームなどの冷凍菓子を統合し、菓子と分類される。(Wikipedia参照)
フランス人へのアンケート調査では、お菓子=pâtisserieという単語を使った
①「小麦粉を練った生地」で作るスポンジケーキ、タルト、シュー菓子、クッキーなど菓子全般を指す。
(ロワイヤル仏和中辞典参照)
②パティスリーとは、小麦粉に牛乳、バターや卵などを練った生地、
その製造技術、
そしてパティシエによって作られたこれらの製品を打つ店、
これらの製品(特にケーキやパイ)の製造や販売をする産業のすべてを指す。
(Wikipedia参照)
フランス人と日本人では、お菓子に関する考え方が異なるのだろうか。それとも、同じなのだろうか。
辻調グループ第一フランス校シャトー・ド・エクレール
の生徒の方々...18人
Institut National de la Boulangerie Pâtisserie(INBP)
の生徒の方々...15人
フランスの店で働いている日本人の方...2人
日本にいるフランス人の方...3人
一般の日本人の方...17人
調査はアンケートとインタビューでおこないました。まず、フランスでアンケートとインタビューを実施し、
その結果を元に、
日本でさらなる調査をおこないました。
1,いつお菓子を食べるのか?
両方「毎日」が多かった。しかし、フランス人の方の回答の中には、パン・オ・ショコラやクロワッサン、ブリオッシュといったヴィエノワズリも含まれたりしている。また、パンとPâtisserieを一緒に売っているところが多く、パンを買ったついでに何か甘いものを食べるために買うそうで、そういう風に気軽に買える場所が多いことも「毎日」食べる人が多い要因の一つ。日本人の方は誕生日といった「特別な日」が多かったのに対し、フランス人でそう答えたのはたったの15人中たったの2人だった。このような要因として、フランス人の週末の過ごし方がある。フランス人は週末に家族や親せきと集まって過ごし、その際に大きいケーキをみんなで分けて食べる。そして、このようにみんなでお菓子を食べる機会の多いことから、日本のように誕生日だからケーキという概念はない。
2,どこで食べるのか?
家で食べることが多い理由に、夕食後にデザートを食べることがあげられる。また田舎の方では、お母さんやおばあちゃんが家でよくお菓子を作っていたりもするし、都会の方では、スーパーで大量にお菓子の入った箱を買って持ち帰ったりすることもある。また、フランスではお菓子のお店に食べるスペースがあまりなく、食べるところがあるのはサロン・ド・テといった少し高めのお店になるため、お持ち帰りをすることが多い。
3,誰と食べるのか?
ほとんどの家庭が夕食後にデザートを食べる。甘いものを食べないと食事は終わらないと考える人も少なくない。デザートの種類は様々で、ケーキのようなものではなくても、甘いヨーグルトやフルーツなど、とにかく甘いものを最後に食べる。だから自然と「家族」と一番一緒にお菓子を食べることになる。また、どうして最後に甘いものを食べるのかという理由に、料理も関係してくる。日本だと、料理に砂糖や醤油を使うので、自然と料理に甘味がでるが、フランスでは料理に砂糖を使わず、塩辛い料理が多い。だからデザートをとることで、そこでしっかり糖分を摂っている。また、デートの時や友達と遊ぶ時にスイーツを食べることはなく、カフェに行っても飲み物だけ飲むことが多い。
4,小さい頃によく食べていた/お母さんが作って
くれていたお菓子は?
≪日本≫
・ケーキ (パウンド、ショート、ガトー、チーズ、ロール)
・ドーナツ
・クッキー
・プリン
・シュークリーム
・和菓子 (外郎、せんべい、八つ橋、栗きんとん、羊羹、大福)
≪フランス≫
・ヨーグルトケーキ
・カトルカール
・リンゴのクラフティー
・モワルー・オ・ショコラ
・ガレット・デ・ロワール
・パリ・ブレスト
・ブリオッシュ
・パインケーキ
・リンゴケーキ
・ガトーショコラ
・リンゴタルト
・チーズケーキがあまりない
・ゼリーがあまりない
・フルーツ系のお菓子が多い
・日本のようにキャラクターのデコレーションケーキはない
・ケーキなどにはフィルムが貼られておらず、包装されていない
・普通サイズのお菓子と一口サイズのお菓子が両方売ってある
・パンとお菓子の両方を売っているところが多い
これらを実際にフランスのパティスリーのお店で働いている日本人の方(不二山さん・嶋さん)
に質問してみた。
≪不二山 恭子さんより≫
・ゼリーがあまりないのは、スポンジと同じく食感が苦手であり、
フランス人はコンシスタンス(食感)
に重きを置いているから。
・ケーキなどにフィルムが貼られていないのは、すぐ食べれるようにと、量り売りが多いからである。
また、食べられればいいという考え方がある。
・他にも、気候が乾燥しているため、クッキーなどは包装する必要がない。
・キャラクターのデコレーションがないのは、日本人の方がかわいいものが好きだし、見た目にこだわるところ
もあるため。
≪嶋さんより≫
日本・・・スポンジやムースなど、生クリームやフワフワした食感のものが人気
フランス・・・フレッシュなフルーツのケーキや、甘さのしっかりきいたものが人気
→フランス料理の味が強いため、それに負けない様にしている。
・チーズケーキがあまりないのはチーズはそのままで食べることが多いので、スイーツにまでチーズを使用する
ことは少ないから。
・一口サイズのお菓子も売っているのは、フランスのコース料理にある「プティフール」という一口大の
デザート用と、休日に開くパーティー用のため。
≪フランスにおけるPâtisserie製造作業≫
・フルーツは大量にとれるため、長期保存できるよう、コンポートやシロップ漬けにする。
・瓶詰にすることで空気に触れずに雑菌との接触を防ぐことができるので2・3年は保存が効く。
・砂糖が保存料の役割を果たすため、コンポートやコンフィ、パート・ド・フリュイ、オレンジピール等も
日持ちする。
≪まとめ≫
フランス人にとってのPâtisserieとは、毎日のように食べ、よくパンと一緒に売られており、いつでもどこでも買えるものである。また、Dessertとして食べることもある。
しかし、DessertはPâtisserieと違い、食事の一部として考えられている。また、週末には家族や親戚と集まり、そこでみんなで分けて食べたりするものであり、日本のように友達と遊ぶ時やデートの時に食べたりはしない。それから、フランスのお店には食べるスペースが少なく、持ち帰って家で食べることが多い。
アンケートに見られるお菓子を食べる頻度、場所、誰と食べるかの違いから、フランス人の方が普段からお菓子と密接に関わっていることが分かった。
よく食べていたお菓子にもフランスの方がケーキ類やタルト類が多いことや、不二山さん、嶋さんのお話からもお菓子に対する概念の違いが見られた。
1.「お菓子」と聞いて思い浮かぶもの全てに○を付けて下さい。
・ケーキ ・クッキー ・プリン ・カップケーキ ・アメ ・グミ
・タルト ・マフィン ・ゼリー ・シュークリーム ・菓子パン
・ドーナツ ・和菓子 ・駄菓子 ・チョコ ・ヨーグルト ・アイス
・スナック
2.「デザート」と聞いて思い浮かぶもの全てに○を付けて下さい。(1の回答と重複可)
3. あなたなりの「おかし」の定義を書いて下さい。
1.「お菓子」と聞いて思い浮かべるもの
1位…チョコ 15/17
2位…スナック菓子 13/17
3位…駄菓子、アメ、クッキー 12/17
4位…グミ 11/17
5位…和菓子 10/17
6位…ゼリー、プリン 7/17
7位…ドーナツ、アイス、ケーキ、カップケーキ 6/17
2.「デザート」と聞いて思い浮かぶもの
1位…ケーキ 15/17
2位…プリン 14/17
3位…シュークリーム 13/17
4位…タルト、アイス 11/17
5位…カップケーキ 8/17
3、あなたなりの「おかし」の定義を書いて下さい。
1位…安くて気軽に食べられるもの…12/17
2位…スナック系のもの…2/17
コンビニにあるようなもの…2/17
その他
一口サイズのもの
甘いものも辛いものもある
常温で食べるもの
おやつの時間に食べるものなど
・日本人が「お菓子」と思い浮かべるものは、私達には馴染みのあるものだが、
フランスではなく、Pâtisserieと呼ばないものばかりであった。
また、日本人にとっての「お菓子」の概念とは、
「安くて気軽に食べられるもの」というものが一番多かった。
他の回答を見てみても、「スナック系」や「辛いものもある」といったフレーズから、
「お菓子」はPâtisseerieと違った概念であると分かる。
・一方で、フランスではPâtisserieとして考えられているケーキやタルトなどは、
日本人にとっては「デザート」として考えられており、
だから、日本人はフランス人よりもケーキなどに特別感を抱くのかもしれない。
つまり日本の伝統では食後にデザートを食べる習慣がないからである。
・そして、日本の「お菓子」という概念は、フランスにはあてはまらないということが分かった。
フランス人への調査で、confiserie 「キャンディ」やsucrerie「砂糖菓子」や
friandise「砂糖菓子、キャンディ」といった単語を使って調査をしていたら、
また別の結果が出ていたであろう。
次回は、是非それについての調査を行いたい。
とても入念で興味深いアンケートです。フランスで働いている日本人へ質問するのはとてもよいですし、このアンケートを文化的側面と関連させているのがとてもよいです。アンケートの結果が的確な考察とともにうまく述べられています。結論に書かれている、このテーマの今後の展望も大変興味深いです。パティスリーとお菓子屋の違いがより分かるよう、いくつか写真を入れてはどうでしょう。また同じように、あなたの個人的な考察に関する部分もさらに展開することをお勧めします。フランスのパティスリーで、何に驚きましたか。(味ですか?伝統ですか?)あなたが好きなガトーはありますか。それからフランスでは、パティスリーは特別な日にも食べ、(誕生日、クリスマスケーキ、ガレット・デ・ロワの日など)そして時には、おやつの時間に飲み物(カフェ、紅茶、ココアなど)と一緒に食べるということも明らかにするとよいでしょう。
このような評価を頂き、すごく嬉しく思います。正直、一人でフランスに行ききちんと調査ができるか不安でしたが、沢山の方々に支えられ協力してもらい、
なんとかやり遂げる事ができました。フランスではたくさんの刺激をもらい、ここでは書き表せないくらいの事を学びました。お菓子を通してフランスのことを
知ると同時に、自分自身のことや将来の夢を見つめ直すことができ、さらに日本についても改めてその素晴らしいところを発見することができ本当によかったです。
最後に、アンケートやインタビューに協力して下さった皆さま、また実際に現地で大変お世話になったエクレール校の皆さま、本当にありがとうございました。
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