どうして日本が好きなのですか?


~イナルコ大学の学生へインタビュー!~

MEMBER

村田夏希
2年
外国語を勉強するのが好きです。 将来の夢は外国の方に 日本をガイドして、 日本の魅力を伝えることです。 フランスの家庭料理に興味があります。

長野文芽
2年
喜劇映画を観るのが好きです。

小西那理亜
2年
遊ぶのが好きです。

有吉はるか
2年
特技・趣味等お好きにどうぞ。

テーマ選定の理由

フランスで日本語を学習している大学生になぜ日本が好きなのかを探ることで、
日本語を勉強したくなるくらいの自国の魅力を再確認するとともに、
日本に興味のあるフランス人は日本にどのようなイメージを持たれているのかを確認し、今後の日仏交流の参考にするため。

イナルコ大学とは

私たちがイナルコ大学と呼んでいるのは、フランス国立東洋言語文化学院(フランス語: Institut national des langues et civilisations orientales、略称: INALCO) の事です。
パリ13区に位置し、アフリカ、アラビア、ロシア、ユーラシアなどなど、多くの研究部門があります。そのなかでも日本の言語と文明の研究部門があります。

参考:wikipedia

調査内容

日本語を勉強している学生さんがどうして日本が好きなのか、また日本のイメージは何なのかを研究する。
また、日本への滞在歴の有無が日本へのイメージを左右するのかも調査する。

調査スケジュール

渡航計画

• 取材先:パリ
• 宿泊方法:ホテル
• 渡航日:2016年 8月25日~8月29日

調査スケジュール

8月26日
出発前から連絡を取り合っていたイナルコの生徒さんがFace Bookを通じてイナルコの日本語学科の学生さんを集めてくださった。
イナルコ大学最寄りの公園※で昼過ぎに皆さんと対面

8月27日
前日とは違うメンバーで同じ場所、同じ時刻に対面


※左が公園の写真です。個性的な階段の上に公園がありました。

仮説

• 現在ネットが普及しているのでかなり日本人に対して具体的なイメージを持っている。

• 日本の伝統文化や建物、異国情緒、最近ではマンガが好きという人が多いのではないだろうか。

調査方法

取材対象者
INALCO大学の日本語および日本について勉強している
大学生と大学院生15人

調査方法
①アンケート
左のようなアンケート用紙に記入して頂いた。
質問1.日本と聞いて思い浮かぶ言葉は何ですか。(いくつでもよい)
質問2.日本は好きですか?なぜ(好き/好きではない)ですか?
質問3.日本に滞在経験のある方で、渡航前、
日本にどのようなイメージを持っていましたか?
質問4.日本に渡航してそのイメージは変わりましたか?
イメージが変わったと答えた方でイメージが変わる出来事があれば教えて下さい。

②インタビュー
2人の学生に答えて頂きました!
質問1.どうして日本語を勉強しているのですか?
質問2.日本について興味のあることは何ですか?

アンケートのねらい
 ●日本と聞いて思い浮かぶ言葉を並べる→
         言葉をカテゴリー分けし、日本の何に興味があるのかを探るため
 ●日本の滞在歴の有無 →
実際に滞在するとイメージは変わるのか

調査結果

アンケート結果

 15人の方からアンケートを得られた。
  内訳:滞在歴あり・・6人 
   滞在歴なし・・10人

滞在歴なし
マンガ・・5
    芸術・・・4
伝統・・・4
料理・・・3
文化・・・2
礼儀・・・2
着物・・・2
ドラマ・・2
アニメ・・2
寿司・・・2

(少数意見)
島国、異国情緒、厳格、庶民的、価値観、寺院、渋谷、勤勉、カワイイ、 テクノロジー、近代的、歴史、自然、弁当、猫、トヨタ、酒(日本酒)、 驚かす(あっと言わせる)、すばらしい、祭、茶道、習字、生け花、サムライ、 巻き、ラーメン、たこ焼き、ファッション

滞在歴あり
マンガ・・・4
禅・・・・・2
着物・・・・2
寺院・・・・2

(少数意見)
原宿、大阪、建物、庭園、テクノロジー、 伝統、スシ、娯楽、礼儀正しい、敬意、好奇心、穏やか、独特、近代的

Q.2 日本が好きですか?
はい→15人(滞在歴あり6人、なし9人)
いいえ→0人

理由:滞在歴あり
• 日本文化が好き・・2人
• 文化が違っていて面白い。
• 穏やかで、敬意があって、清潔な国だから。
• 素晴らしい文化だから。
• 漫画が好きだから。
• ネット情報から好きになった。
• 雰囲気が好き。
• 初めて大阪へ訪れてから日本に惚れてしまった。

理由:滞在歴なし
• 日本文化が好き・・3人
• フランス文化とは全く違って面白いから
・   自然がめっちゃいい • 敬意を持っている
• 私は文化と料理と治安の良さと敬意があるところが好き。国を吸収する(?) J'aime la culture, la cuisine, la sécurité et le respect qui se digage du pays
• Je trouve que le Japon est l'apposé de la France, ce sour deux pays très différents et cela m'intrigue.(訳せませんでした)
• Pour sa merveilleuse culture aimei(?) que par ses tradition uinni(?) que sa nourriruse(?).(字が読めず訳せませんでした)
・   大半の日本人は礼儀正しくて、うやうやしい。私は日本文化(芸術、音楽、習慣)がとても好きです。

Q.3 日本に滞在経験のある方で、渡航前、日本に対してどのようなイメージを持っていましたか?

渡航前のイメージ
• マンガの国
• 真面目
• みな優しい
• 私は黒人なのでリアクションに不安を抱いていました。
• 穏やか、敬意、清潔、安心できる人たち
• 近代的
・   全く寝ない近代的な国。寺院と公園がたくさんある。とても快適。(変化なし)

Q4.日本に渡航してそのイメージは変わりましたか? イメージが変わったと答えた方でイメージが変わる出来事があれば教えて下さい。

渡航後のイメージ
イメージの変化
• あり→3人
• なし→2人

• 緑が多い
• みんな優しくて、知らない人でも同じように話してくれて幸せな気持ちになった。
• フランスより住みたい。


学生さんにインタビュー

学生Gさん 男性



  Q.どうして日本語を勉強しているのですか?
始まりは特に、何と言ったらいいのか、ディクタフォンでの会見です。特に日本の文化に興味を持ったところから始まりました。まだ子供のころ、アニメや漫画全般、もちろん急速に進化し、発展した日本の文化の外観にも興味を持ち、日本の歴史を学び、文化や言語、またそれに近いこと全てを発見したいと思いました。

Q.日本について興味を持っていることは何ですか?
特に人気な日本文化は、J-popや会社、日本の出生率低下など困難な問題も人気があります。 そのようなジャンルのものを学ぶことで、興味深い現象を発見しました。最近は、人々の高齢化、働く人の条件など、主に社会現象のことに興味を持っています。以上です。


学生Mさん 女性



Q.どうして日本語を勉強しているのですか?
私がなぜ日本語を勉強しているかというと、私はグラフィックデザイナーで、4年間グラフィックデザインについて勉強して、2年の間仕事を探していました。 日本に初めて行って好きになって以来、日本語を勉強しようと思いました。 私は大阪に旅行に行きましたが、大阪に行く前まで、日本のことも大阪のことも全く知らず、ただ遠い遠い国としか認識していませんでした。 けれど、2日間大阪に行って私は日本に魅了されました。 それから8年間、独学で日本語の勉強を始めました。けれど、それでは漢字や日本語を習得する上で限界があるため、イナルコの学校で勉強しています。

Q.日本について興味を持っていることは何ですか?
私は大衆文化、誰もが知ってるけれどこっちでは誰も知らないLeccaというロックバンドのような活気のあるものが好きです。 アニメや漫画も好きで、ドラマも私自身が1番好きなのは銀魂という漫画です。 日本に行くと必ず探します。 今現在フランスの若者はすることがないです!日本はフランスよりずっと面白く、私の生き方に合っています。だから私は日本に行くことが大好きです。

まとめ・感想

アンケートではマンガという回答が伝統文化などを差し置いて最も多く、 「日本と聞いて思い浮かぶ言葉は何ですか」という質問の答えの欄に真っ先にmangaと書く方も多かった。 インタビューでも「マンガ」がキーワードだった。 これらからマンガはフランス人が日本語を学ぶ大きなきっかけになっているし、 日本とフランスを繋ぐ大きな役割をはたしていることがわかった。 渡航前と渡航後ではイメージの変化はあまりないようであった。 ネットが発達した現在ではステレオタイプな見方も減っているとわかったが、 日本人が勤勉、礼儀正しいというイメージは変わっていないということがわかった。

アンスティチュフランセ九州の方からのコメント

大変明快でよく書かれたプレゼンです。 研究方法は一貫していて、調査対象もよく、 質問の内容も興味深いです。あなたがた自身の意見も書くと良いのではないですか。 フランスの学生の回答は、あなたがたを驚かせましたか。 フランスではマンガは大衆的に読まれていて、日本語を勉強する学生さんは、 絶対マンガから始めると言われています。フランスの学生に出会う前、 フランスで日本の大衆的なカルチャーがこれほど重要視されていると思っていましたか。 それから、フランス人が日本へ旅行して帰国したあと特にどのようなステレオタイプ的な見方が 変化したのかも明確にできるとなおよいでしょう。大変興味深いテーマですので、 結論部に、もしこの研究を続けるなら、次回はどういった側面を調査したいか書いておくとよいと思います。

コメントへの返答

お褒めのお言葉を頂きまして、まことにありがとうございます。 コメントして頂いたアドバイスを元に「驚いたこと」と「次回はどのような調査をしたいか」をここで述べさせていただきます。 フランス人の学生がが日本のイメージを挙げると伝統文化や食文化のワードを差し置いてマンガと回答する方が最も多いことに驚きました。 フランスでジャパンエキスポが開催されるなど、若者が日本のポップカルチャーへの興味を抱いていることはある程度知っていましたが、 ここまでマンガが浸透しているとは思っていませんでした。「フランス人学生は絶対マンガから始める」ということは大変興味深いです。
また、「初めて大阪へ訪れてから日本に惚れてしまった。」(Q.2 理由)「フランスより住みたい。」(Q.4渡航後のイメージ) 「私は黒人なのでリアクションに不安を抱いてしまった」(Q.3)→「みんな優しくて、知らない人でも同じように話してくれて幸せな気持ちになった」(Q.4)のように、 渡航経験のある方は日本に実際に来てみてもっと好きになったと捉えられる感想を持っていらっしゃったことに驚きました。
我々の意見として、今回のアンケートやインタビューで日本に興味のあるフランス人学生が抱いている日本のイメージを身近にそしてより具体的に知ることができました。
そして、「ステレオタイプ的な見方の変化」についてですが、今回のアンケートでは来日された方と来日されてない方、来日前と来日後の見方の変化はあまり大きな差がなかったように思えます。 これは個人的な考察ですが、SNSやインターネットの記事など離れていても外国の人とコンタクトが簡単に取れる時代なので日本に興味のある学生はもちろん日本に関する情報に敏感であるからステレオタイプな見方に変化が少なかったのではないかと考えます。 今回は「日本語を学んでいる学生」へのインタビューでしたので、次回調査する機会があれば日本は知っているけど特に興味のない方のステレオタイプな日本の見方を調査してみたいです。

フォトギャラリー