フランスと日本の「美容男子」

MEMBER

石橋もな美
西南学院大学2年

田仁春花
西南学院大学2年

テーマの選定理由

日本では近年、美容に気を使う男性に注目が集まり、「美容男子」という造語もできている。しかし、そもそも「美容男子」という言葉は、美容は女性が気にするものという意識が強いため生まれたのではないだろうか。つまり日本では、まだまだ美容に気を使う男子は特別視され、社会で受け入れられているとはいえないと考えられる。 → では海外ではどうだろうか 現代モードの発信地:フランスではどうだろうか

調査内容

日本人男性
①男性が次のようなことを行うことをどう思いますか。
ネイル、脱毛、基礎化粧品を使う、髪型を整える
化粧をする(リップクリーム、口紅、ファンデーション、チーク、マスカラ、眉マスカラを使う)
これらを良い・気にしない・変・悪いで評価
②あなたが実際にしていること、興味を持っていることを先に述べた事柄から選んでください。
③美容=女性というイメージは強いですか。

日本人女性
①あなたが自分自身を美しくするために行っていることは何ですか。
②男性が次のようなことを行うことをどう思いますか。
ネイル、脱毛、基礎化粧品を使う、髪型を整える、化粧をする(リップクリーム、口紅、ファンデーション、チーク、マスカラ、眉マスカラを使う
③美容=女性というイメージは強いですか。

調査方法

日本では、西南学院大学(7/27)、九州大学(7/26~8/4)の学生にアンケート 男性25名、女性25名に実施。
フランスでは、語学研修中、グルノーブルの広場でフランス人にアンケートを行い、男性13名、女性12名に実施

調査結果

まとめ・感想

*男性の結果を比較して 気付いたこと
・日本人男性はあまり『悪い』をつけない
・フランス人男性よりも日本人男性の方が、脱毛に前向き
・フランス人男性は、口紅・チーク・ファンデーション・マスカラなどには『変』『悪い』をつけたが、日本人男性は『気にしない』が多い
→フランス人男性は日本人男性よりも、化粧という行為に否定的
「美容」=「女性」というイメージは、フランス人男性の方が強く持っている

*女性の結果を比較して 分かったこと
・どちらの女性も、男性が髪型を整えることを望んでいる
・フランス人女性より日本人女性の方が、『良い』『気にしない』の割合が高い
→日本人女性の方が美容男子に寛容
・問2で、フランス人女性は外見を美しくすることを書き込んだが、日本人女性は内面から美しくすることを書き込む人も多かった。
・フランス人女性より日本人女性の方が、『美容=女性』というイメージを強く持っている

*全体を通して分かったこと
・欧米では男性も脱毛が主流というイメージ
→フランス人女性:『良い』という回答多数(約8割)
フランス人男性:『悪い』という回答もあった(約2割)
・その他、フランス人男女では意見の違いが目立った。
→(例)リップクリーム
フランス人女性:『良い』という回答が多い
フランス人男性:『変』『悪い』という回答が多い
・日本人男女の意見はあまり違わなかった。


*フランス
同性婚が認められるなどLGBTに寛容である
しかし、男らしさ、女らしさ という概念は強い

*日本
中世的部分も魅力としてとらえられやすい
(例)ジェンダーレス男子
また、女性の意見が男性側に反映されている面もあるように思われる

*キリスト教的視点
・今日、フランスはキリスト教徒が多数派である。また、歴史的にもカトリックが支配していた
・女は男の着物を着てはならない。また男は女の着物を着てはならない。あなたの神、主はそのような事をする者を忌みきらわれるからである。(『旧約聖書』申命記、第22章5節)
→この記述は新約聖書にも引用されている
・百年戦争時、ジャンヌダルクが死刑に処されたが、その理由のひとつは異性装をしていたことである。

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