2025.12.08
「データサイエンス副専攻プログラム」開設記念フォーラムが開催されました
11月19日(水)、2号館201教室にて、今年度から開始した「データサイエンス副専攻プログラム」の開設を記念し、記念フォーラム「データサイエンティストが語るビジネスの場でのデータ利活用~明日からできるデータサイエンス~」を開催しました。講師には、デロイト トーマツ グループ シニアマネジャーの牧野惇氏をお招きし、学生や教職員ら、75名が受講しました。
基調講演では、本学の「データサイエンス実践」の授業を担当されている牧野氏より、データサイエンスとその役割について、さまざまな事例を交えながら、分かりやすい解説がなされました。冒頭では、データサイエンスの役割は膨大なデータからビジネスなどに役立つ知見を導き出すことであると述べられました。次に、データ分析には、記述的、診断的、予測的、処方的という4つの段階があり、それぞれ「事実の整理」から「原因の把握」、「将来の予測」、「取るべき行動の提示」へとつながるプロセスであると示されました。そして、こうしたプロセスを通して過去を理解し、未来の判断につなげることがデータサイエンスの役割だと説明されました。また、データ分析のプロセスは、課題検討、データ入手、分析、活用といった流れで進みますが、その中で実際に手を動かして分析作業をしている時間は全体の一部に過ぎず、その前後の工程も重要であると指摘されました。データ分析者には数字を扱う力だけではなく、データ分析の使い道やビジネス観点からの「問いを立てる力」「可視化されたデータを読み解く力」「ビジネスを理解する力」といった、多様なスキルが不可欠であると強調されました。講演の最後には、「データサイエンスはさまざまな業種・職種で役に立つため、データ分析に興味がある学生は、自身の専門領域を磨きながらビジネスへの興味を持ちつつ、AIや分析ツールを活用してデータ分析に挑戦してほしい」とメッセージが送られました。
続いて、今年度前期に開講された「データサイエンス実践」を受講した西尾天祐さん(商・商、2年)が、自身の経験談を報告しました。西尾さんの特に印象に残っている授業内容は、データビジュアライズというデータを可視化する授業で、「データは伝わる形にしてこそ意味があるため、数値データをTableauというソフトを使ってグラフ化して分かりやすく示すことを教わった。この経験が自身の専門である会計情報を用いたデータ分析にとても役に立っている。データサイエンスは汎用性が高く、これをさまざまな専門分野と組み合わせることで研究を深める大きな武器になると思う」と語りました。
参加した学生からは、「オムニバス形式で、さまざまな学問と関連して学べるデータサイエンス応用に興味を持った。3年次からの「データサイエンス実践」も履修してみたい」「データサイエンスは理系のイメージが強かったが、文系にも役立つと感じ、経済学に興味があるため経済データサイエンスを学びたいと思った」「印象的だったのは、AIは処理が速いが、その結果を判断し解釈して伝えるのは人間が行う必要があるという話だった。AIに全てを任せるのではなく、人間の強みであるコミュニケーション力を活かし、AIと協力して活躍する世界ができたらいいなと感じた」などの感想が寄せられました。
今回のフォーラムは、学生たちにとってデータサイエンスについての興味を広げ、理解を深める機会となりました。今後、領域横断的な課題解決を可能とするデータサイエンス技法の学修を深め、時代や社会の変化に即した資質・能力を伸長することができる、このデータサイエンス副専攻プログラムに多くの学生がチャレンジすることが期待されます。




