フランスの学生の実態

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  • 片倉 楓

    フランス語専攻2年
    趣味は映画鑑賞です!

  • 平井 真理子

    フランス語専攻2年
    読書が好きです!

テーマ選定理由

日本で生活していて、フランスの学生生活はほとんど知られておらず、同世代である彼らがどのような生活をしているのか興味を持ったから。

問題提起

フランスの学生は一日にどのくらい授業があり、一日の勉強量はどのくらいなのかを調査し、日本の大学生との違いを見つける また、日本の大学生のようにアルバイトをしているのか、もししているのならどのような職種があるのか調査する

下調べと仮説

下調べによって、フランスの大学では、進級すること自体が日本のように容易ではないことが分かった。 そのため、フランスの学生は学業が忙しく、一日の授業量や自主学習の時間が多いのではないかと考えた。 また、日本の学生と違ってアルバイトをしている学生もあまりいないと考える 講義選択で重要視することや、授業のない時間にすることも日本の学生と違うのではないかと思う。

調査方法

調査日程;9月2日~23日
調査場所;フランス,トゥールーズ 日本,福岡
調査対象;西南学院大学の学生300人
トゥールーズの大学の学生30人
調査方法;アンケート

質問内容

1,一週間に何時間の授業をとっているか
2,自主学習はどのくらい行っているか
3,アルバイトはしているか、また何のアルバイトか
4,授業のない時間に何をしているいか
5,自主学習はどのくらい行うか
6,恋愛と勉強は両立できると思うか

結果

日本の場合:1~2年生はフランスの学生と同じくらいだが、3~4年生になると、登校日が週に2~3日になる.

日本の学生は基本的に毎日の自主学習を行っていない。課題が出されている時やテスト前など駆け込みでやる傾向がある事がわかった
2017年度の調査によると、日本人の学生は学校での講義が終わるとアルバイトやサークル・部活に参加している事がわかる。
そのため、日本人の学生は大学の講義だけ受けて後の時間は自主学習ではない何かに時間を費やしている事が分かった。
一方でフランス人学生は毎日自主学習を行っているのがほとんどだ。
現地でこの質問をした時にも「当たり前だね」という回答が目立った

日本ではほとんどの学生がアルバイトをしているのに対して、フランスの学生は文系と理系で分かれるがあまりアルバイトをしている学生はいなかった
この調査結果は、日本ではサークルなどの交際費など自分の用事でなくてもかかってくる費用などがあるため、働いている人が多いと考える
一方でフランスの大学にはサークルなどがないためアルバイトをしなくても暮らしていける学生が多いと考える。
またフランスの学生は日本の学生と比べて勉強量が多いので、あまりアルバイトにかける時間はない。そのため、バカンス中に詰めて働くという学生もいた。

日本の学生はほとんどが飲食店で働いている。
一方でフランスでは色々な回答が返って来た。
青少年文化センターのリーダーというアルバイトは日本ではあまり聞き慣れない業種だったので驚いた。

              

この質問に対しての回答は日本とフランスで大きく変わる箇所は見られなかった。
しかし、日本の学生に対しての回答で会った「寝る」という答えはフランスでは見られなかった。

 

 
  
 
   

日本の学生もフランスの学生も恋愛に対してポジティブな考えを持つ人が多い事がわかった。
相違点としては、恋愛と勉強のどちらを軸としているかだった。

調査結果

フランスの大学生は、日本の大学生のように学年が上がるにつれて授業の数が減ることはなく、四年間を通して、満遍なくコマ数があることが分かった。
また、進学自体が難しく、試験の点数も日本に比べてとても厳しく採点されるため、自主学習に時間を充てる学生が多くみられた。
時間がないことや、フランスの大学にはサークルや部活といったものがなく、それにかかる費用も無いので、アルバイトをしている学生はあまり見られなかった。
している学生のなかには、バカンス中に集中してやる人が多かった。

考察

日本の学生に比べて、アルバイトをしているフランスの学生が少ないのは、日々の自主学習の時間が関係しているだろう
日仏学生の自主学習時間のアンケート結果からはフランスの学生の学習意欲だけでなく、成績評価の大変さがわかる。
「恋愛と勉強の両立ができると思うか」という質問に関して、フランスの学生は「恋人にたくさん時間を使ってしまう」など、恋愛を軸に回答する傾向がある。
一方、日本の学生は「勉強に集中できない」など、勉強を軸に回答する傾向にある。
2017年度のグループによる調査では、フランスには退学の基準となる成績が存在し、日本と比べて授業における厳しさや課題の量が大きく異なることが分かっている。
そのことからも、日本の学生とフランスの学生の大学での勉強がいかに大切かという意識が違うのではないかと考える。

結論

まず、フランスの学生は空きコマや放課後に勉強や美術館に行くなどの教養を高めることをしていると仮説を立てていた。しかし、フランスの学生も買い物に行ったり 友人と会うなど日本の学生と同じような過ごし方をしていた。
アルバイトに関しては、想像以上にフランスの学生はアルバイトをしていた。
しかし日本と比べると割合は低かった。
意外性があったのはアルバイトの内容だ。フランスの学生は偏りなく様々な職種で働いていた。
恋愛と勉強の両立に関しては、フランスの学生も日本の学生と同じような考えを持っていた。相違点としては、恋愛と勉強のどちらを軸としているかという事だった。
講義選択に関しては、フランスの学生は楽に単位が取れるかどうかより、興味や将来を見据えて講義を選択していた。
フランスの学生の実態は、日本の学生よりも勤勉で時間の使い方がうまく、メリハリをつけて学生生活を送っていた。

アンスティチュフランセのコメント

私たちはあなた方の研究はフランスをよく理解できるものだと感じました。
そして、いくつかの常套句が間違っているのが分かりました。
若者の傾向を定義するのは難しいことですが、あなた方の研究はフランスの若者と日本の若者の共通点を見つけたというところはいいところです。 そしてさらに研究したいという気にさせたことでしょう。
おそらく難しいですが、この研究結果をより精密なものに仕上げるには、質問を付け足す必要があります
よくできました。

謝辞

このプログラムのおかげで私たちはフランスの大学生の生の声を聴くことができました。
       また、日本人のいない環境で、拙いフランス語でも積極的に声をかけ、一生懸命言いたいことを伝えることの大切さをまなぶことができました。
フランスの学生は日本の学生と比べて勉強量も多く、アルバイトやサークル活動をしている学生がほとんどいないという結果が出たことが印象に残っています。
反省点としては、現地でアンケートを取るときにもっとフランス人学生とコミュニケーションがとれていればよかったなと思いました。
そこで仲良くなった現地の学生の方に密着して、一日のすごし方などが知れたら、より良い研究になったのではないかと思います。
企画の構想をはじめ、アンケート作成や校正など、ご多忙の中アンスティチュの先生、サポーターの方々、フランス語専攻の先生方にはたくさん協力していただきました。
私たちのフランスでの調査をここまでよいものに仕上げることができたのは皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

活動を終えて

活動を終えて、フランスの学生と日本の学生の学生生活にかなり違いがあったことに驚きました。
フランスの学生は日々勉強に励みながらも自分の時間も大切にしていて、限られている時間を有効活用している姿をみて、見習いたいと思いました。
また、コミュニコンの活動を通して、フランスの大学事情や勉強に関して調べているうちに、フランスに対してより関心が深まりました。
      実際に現地に行き、同世代であるフランスの学生と交流し、会話をしたことはとても貴重な経験でした。彼らと話していて、自分の意志や自分の将来への関心が とても高いことに驚かされました。
現地で学んだことや、彼らから受けた刺激を今後の学生生活に活かしていきたいと思います。

参考文献

夏目 達也「フランスの大学における高大接続の取り組みと改革」名古屋高等教育研究,18,89-115, 2018 
ジェニファー・L・スコット 神崎朗子訳「フランス人は10着しか服を持たない」大和書房 2014
山井徳行「フランスのカフェ研究」名古屋女子大学紀要 人文・社会編 (39), p139-150, 1993
黒田真海、赤尾佳乃子『フランスと日本の教育』in “p. Communiquons 2017”,
http://www.seinan-gu.ac.jp/france/communiquons/w2017/akao/index.html, 2019.11.16 アクセス

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