#17 My 4 Years 留学さながらの環境で、留学生と共に成長する
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OVERVIEW
留学さながらの環境で、留学生と共に成長する
別科留学生との共修を通じて成長した@Sachinaさん。授業やディスカッションを通じて異文化理解を深め、語学力を向上させてきました。今回のSEINAN STORYでは、“My 4 Years”と題し、留学生との共修がどのように視野を広げ、キャリア形成につながったのか、入学時から卒業後の道のりを伺います。
別科留学生との共修を通じて成長した@Sachinaさん。授業やディスカッションを通じて異文化理解を深め、語学力を向上させてきました。今回のSEINAN STORYでは、“My 4 Years”と題し、留学生との共修がどのように視野を広げ、キャリア形成につながったのか、入学時から卒業後の道のりを伺います。
この記事に登場するSEINAN PEOPLE
@Sachina
外国語学部外国語学科4年 ※2024年度取材時点
西南学院大学外国語学部に入学したきっかけを教えてください。
@Sachina 当初は、西南学院大学外国語学部か、他大学の同系統の学部のどちらに進学しようか迷いました。最終的に、さまざまな言語を学べる環境に惹かれ、本学の外国語学部に入学しました。
- 入学を決める上で、特にどのような学びを期待していましたか?
@Sachina 言語をただ勉強するだけではなく、実際に使いこなして、その世界に浸りたいと思っていました。例えば、原文で海外の文学作品を読んで、そのニュアンスを直接理解するような学びがしたかったんです。そのような学びが外国語学部でできるのではないかと期待していました。
大学生活を充実させた2つの軸:語学とキャリア
次に、大学生活の中で特に力を入れて取り組んだ活動を教えてください。
@Sachina 今思えば、大学生活は大きく2つの軸で構成されていたと思います。一つは「語学・アウトプットに関する活動」、もう一つは「就活・キャリアに関する活動」です。
「語学・アウトプットに関する活動」では、FLS Gateway(外国語学部の留学プログラム)や日加学術コンソーシアムの学生フォーラムに参加し、実際に語学を使う機会に積極的に参加しました。また、日本・香港協会主催のインターンシップに参加して、1ヶ月間マーケティングの業務に挑戦したり、興味を持ったことにはできる限りチャレンジしてきました。さらに、留学生別科の授業を履修したり、語学ラボに通ったりして、語学力の向上にも努めました。
「就活・キャリアに関する活動」では、2年生から就活イベントを運営する「Branch」という団体に所属し、就職課と協働して学生向けイベントの企画・運営に携わりました。リーダーとしての役割も果たすことができました。

留学生と共修で広がった学びの可能性
先ほどの活動の中で、留学生の授業を受講し、留学生と学んだと伺いましたが、履修したきっかけや背景を教えてください。
@Sachina 留学生別科の授業を、本学の学生も履修できると最初に知ったのは、学内のポータルで情報を見たときでした。実は、その前に留学生バディ制度に申し込んでいたんですが、残念ながら落選して……。それでも、留学生とつながりを持ちたいという気持ちがあり、別の方法を探していたところ、ちょうど大学のポータルで授業の情報を見つけました。
そこで、留学生別科の授業が単位にもなり、英語のアウトプットにつながることを知って受講を決めました。2年生から履修を開始して、卒業までに9科目を履修し、18単位を習得しました。どの授業も新しい発見に満ちていて、大学での学びを深めるきっかけになりました。中でも「英訳による日本文学」といった学部の学びと関連する科目は、自分の専門分野にも直結していて、印象に残っています。
-「英訳による日本文学」という授業では、どのようなことを学びましたか?
@Sachina 授業は、日本文学を題材としたディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションが中心で、例えば太宰治についてグループでプレゼンを作ることもありました。
授業の題材を通じて、留学生と一緒に話す中で、日本の特長を再発見することもあれば、留学生履修者の国の文化について知ることもできて、すごく刺激的でした。一方で、自分が自国のことを知らないと気づいて恥ずかしくなる場面もありました。でも、それがきっかけで、日本のことをもっと知りたいと思うようになりました。
- 留学生との関わりの中で印象に残っていることはありますか。
@Sachina 留学生の日常の延長線上で学ぶスタイルも新鮮でした。日本の場合、プレゼン準備は、役割を決めて、それぞれが役割に従って、真面目にスライドを作るのが一般的ですが、留学生は「松屋でご飯を食べながら話そうよ」みたいな雰囲気で、リラックスしながら進めることもありました。実際に牛丼を食べながら、発表の準備を進めたのは今でも良い思い出です。

言葉の壁を越えた学びと成長
語学の運用能力に不安はなかったのでしょうか?
@Sachina ある程度、英語力に自信はありましたが、やはり、最初は不安でした。特にプレゼンテーションでは、グループ内に英語を母国語とする学生も多かったので、グループの足を引っ張らないようにと心配でしたね。でも、その不安を乗り越えるために努力して、とにかく場数を踏むことでカバーしました。
ただ、不安を感じる場面もある一方で、留学生が日本語に苦労しながら一生懸命に伝えようとする姿を見て、共感することも多くありました。その瞬間、自分も同じ立場になればどう感じるだろうと考え、言葉の壁を越える努力や、相手の立場に立つことの大切さを改めて実感しました。
こうした経験を通じて、ただ形式的な会話や交流に留まらず、お互いの背景や価値観を理解し合う「深い国際交流」を築くことができたと思います。特に、伝わらないもどかしさを感じながらも、その状況に向き合うことで、自分の成長だけでなく、異文化交流の本質をより深く理解するきっかけになりました。
- 具体的にはどのように乗り越えたのでしょうか?
@Sachina 言語教育センターで単語や文法を学びながらインプットを行い、別科の授業の発言や発表を通じてアウトプットすることを意識していました。さらに、独学でポッドキャストを聞いたり映画を観たりして、教科書では学べない実際に使われる英語を吸収しました。特にポッドキャストは、リアルな話題や使える表現を学ぶのに役立ちましたね。
その他、印象に残っている授業はありますか?
@Sachina「国際協力論B」(野田先生)と「日本の政治と外交」(小寺先生)の2つが特に印象に残っています。「国際協力論B」では、率直な意見交換が行われる中で、留学生の隣国に対する批判的な意見が出る場面もあり、少し複雑な気持ちになることもありました。でも、そうした経験を通じて、個人と国家を分けて考える視点の大切さを学びました。また、自分の宗教や背景について考えるきっかけにもなり、異なる価値観をどのように受け止めるかを深く考えることができました。
-「日本の政治と外交」の授業では、どんな学びがありましたか?
@Sachina 初回の授業は内定式で欠席してしまったのですが、2回目の授業で「国家と個人を分けて考える」というグランドルールが設けられていることを知りました。それまで何となく感じていたことが、授業のルールとして明確に示されていたことで納得感がありました。その後は、自分自身も第三者の視点で、自国を含めた国家を見ることができるようになり、視野が広がったと感じています。

留学生との共修の中で、身についたものについたものについて教えてください。
@Sachina 客観的に測れるスキルとしては、TOEICのスコアが大きく伸びたことかもしれません。履修を始めた大学2年生の頃は、600点前半でしたが、現在は900点台前半までスコアが伸びました。実は特別にTOEICのための勉強をした感じはないんです。それでもここまで伸ばせたのは、別科の授業で得た「生きた英語」に触れる環境があったからだと思います。
- 内面での変化はありましたか?
@Sachina 価値観の面で大きな影響を受けました。ただ、それを言葉で正確に伝えるのは難しく感じます。実際、就職活動でも自分の考えや経験を言語化するのにとても苦労しました。本来は、しっかりと言葉で説明できるのが理想だと思いますが、言葉だけでは全てを伝えきれない部分もあるんですよね。
文化も同じで、小さな背景や出来事が積み重なって形作られるものだと考えています。それは、授業や留学生との交流を通じて、他者の考え方や価値観に触れる中で強く実感しました。授業を通じて、そういった小さな出来事の積み重ねが、自分の視点を広げたり、新しい考え方を生むきっかけになったと思います。
留学さながらの学びの場:Global Liberal Arts
2025年度より、留学生と共修するGlobal Liberal Artsが始まります。@Sachinaさんにとって、魅力的だと思うことがあれば、お聞かせください。
@Sachina 一番魅力に感じた点は、留学生と一緒に授業を受ける中で、自然と友達ができたり、学部を超えた学びができることだと思います。留学に行かなくても、留学さながらの環境で学修に励むことができます。
- @Sachinaさんと同じように、留学生の授業を履修していた他の日本人学生は、そういった環境をどのように活用していましたか?
@Sachina 当時、別科留学生の授業では、日本人学生は少数でしたが、多くの人が留学を見据えて、予行準備のような位置づけで参加していたような気がします。一方で、私は「留学に行かないけれど、それに近い経験を積みたい」というスタンスで授業を受けていました。結果的に、別科の授業を通じて英語力を大きく伸ばすことができたのは、自分にとって大きな成果だったと思います。
- 実際、授業を受講するにあたって、語学力は必要ですか。
@Sachina 頑張る姿勢ももちろん大切ですが、「とにかく発言してみよう」という姿勢が何より重要だと思います。授業中は留学生とのディスカッションや発言の機会が多いので、喋ろうとする気持ちがあるだけで交流の幅が広がります。
- 語学力がまだ十分ではない場合でも、授業には参加できますか?
@Sachina もちろん参加できると思いますが、語学力がある程度あると、授業がより実りあるものになると思います。例えば、ディスカッションで自分の考えをしっかり伝えたり、留学生からの意見を深く理解するには、語学力に関しても、一定の準備があったほうが良いかもしれません。

学びを仕事に活かす、グローバルキャリアへの挑戦
卒業後についてもお聞かせください
@Sachina 具体的には、国内の物流企業で、国際物流部門に携わる予定です。国際物流の現場で、大学で学んだ異文化理解や語学力を活かしたいと考えています。
- 今後、社会人になるにあたって、目指していることや挑戦したいことはありますか?
@Sachina まずは、通関士の資格を取得して、国際物流に関する専門知識を深めたいです。その上で、海外駐在やグローバルな転勤にも挑戦したいと思っています。大学の別科の授業で「根回し」の重要性についてプレゼンした経験があるのですが、こうした密なコミュニケーション力を活かして、国際的な仕事に貢献したいです。
最後に、本学で学んでいる在学生に向けて一言メッセージをお願いします。
@Sachina 西南学院大学は、本当に学部を超えてさまざまな経験ができる場だと思います。だからこそ、ぜひ積極的にいろいろなことに挑戦してほしいです。
特に、良い意味で常識に囚われない経験をすることが大切だと思います。例えば、留学生と授業を通じて議論する中で、今まで、なかなか気づけない文化や考え方に触れることが、自分の価値観を広げるきっかけになります。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、その経験が新しい視点や成長につながります。何か新しいことに挑戦したとき、ぜひ自分の中に生まれる変化を楽しんでほしいです。ぜひ失敗を恐れずに、一歩踏み出してみてください!
本日はありがとうございました!

2025年度始動、Global Liberal Artsについて
Global Liberal Artsの詳細は以下のURLからご確認ください。
https://www.seinan-gu.ac.jp/education_study/education_research/gla.html