1日の平均乗客数はパリ20区内の住民数の2倍以上である458万人を数える。500m間隔で駅があるため、パリ市内を移動するには市民の便利で手軽な足である。創業当時は11キロだった距離も今では約200kmに達する。
今年(2000年12月現在)はメトロ誕生から100年目の記念すべき年である。こうした地下鉄の発展にともない、様々な問題も多く持ち上がっている。乗客の15%を占める観光客をねらったスリや、駅構内に暮らし続けるホームレス、悪臭などなど。最近では日本人女性のホームレスも出没しているという。観光客だけでなく、パリの人々にとっても安全で快適な場所とは言い切れないのが現状である。
これからメトロはどう変わっていくのだろうか。2000年8月7日の西日本新聞に掲載されていた記事によると、1998年には無人運転の新型車両が誕生しており、パリ市は2007年までに約630億円をかけて地下鉄路線としてパリ郊外にメトロを延ばす計画もすすんでいる。今後、メトロがどのような発展を見せてくれるか楽しみである。
今回私はカミーユ・ピサロの一枚の絵から、当時のパリの交通機関に興味を持ち、そこから“パリのメトロ”に発展させて、メトロに関するいろいろなことを調べてきました。私も実際、パリを旅行したときにカルネを買って、どこにいくにもメトロを利用し、その便利さには本当に感心させられましたが、やはり「汚い」「臭い」「不気味」といった悪いイメージのほうが強かったことを覚えています。
しかし今回こうして、メトロに関するいろんな本や記事を読むうちに、パリのメトロについてをいろいろ調べていって、一つの列車を走らせるために、たくさんの人々が関わっており、当時の歴史的背景などもわかり、今でも多くのパリ人たちに愛されている“メトロ”は本当に偉大な存在だなあと感じさせられました。今度、パリへ出かけたときには、こうしてメトロについて学んできたことを生かして、この前とはまた違った角度でパリのメトロを味わうことができたらと思います。
*
参考図書 パリ・メトロ物語
世界地下鉄物語