保険代替現象について

 保険学会九州支部例会(200222日開催)での研究報告に加筆・補正したものである。この報告は35Alternative Risk Transferの理論的考察」、36「ファイナンシャル(再)保険の理論的考察」に基づいて行っている。両論文を土台としながら、自らが拠って立つ保険学説(経済的保障説、予備貨幣再分配説)とこの新たな金融的考察とを結び付けており、その点で従来の保険学との関係を明確としている。その他いくつか進展した点としては、従来不十分だった保険デリバティブの捉え方について、先物・オプション・スワップという形態で把握すべきではなく「派生性」が重視されるべきであるとして、自らの見解を含めて従来の形態を基準として把握するという表面的・非理論的把握を批判して理論的把握を行ったことがあげられる。。