資産運用高度化に向けたキー・ワード

 バブルの崩壊、ビッグバンによる金融環境の激変によって、これまでのアセット・アロケーションやALMに加えてリスク管理が重要となってきたが、それは損害保険会社の資産運用にも当てはまるであろう。ビッグバンによって損害保険会社に資産運用の高度化が求められているといえるが、この点を考えるに当って、アセット・アロケーション、ALM、リスク管理はキー・ワードになる。しかし、これらの用語は既知のものというよりも、目的達成に向けた各種の課題設定、方法の策定において改めて考える必要がある用語と捉え、この3つの用語の相互関係について考察したものである。
 辞書における3つの用語の解説を取り上げて、さらに専門書の解説に進みながら、3者を理論的に矛盾なく関連付けるということが困難であることを示し、重要なことは、3者に対して実務上の定義づけを行った上で、目指すべき運用目標、それを達成する方法を策定する上で3者の機能をいかに整理し、いかに運用プロセス上に位置付けるかにあるとした。