経済的弱者の保険その保険史的意義 

 27「保険事業の自立化と発展」に続く歴史的考察を行ったものであるが、「保険事業の自立化と発展」においては、保険の社会化を重視しつつも、経営形態の問題などを取り上げたため、保険の社会化の中心を占める経済的弱者の保険に関する考察は、必要に応じてなされたのみであった。本稿は、この点を前面に出して考察したものである。簡易生命保険、社会保険、協同組合保険、団体生命保険を経済的弱者の保険とし、経済的保障原理として提示した自助・互助・公助を軸としてその生成・発展を考察した。