保険におけるホショウ・貨幣

 22「保険本質論」で確認した保険の本質把握のキー・ワード「予備貨幣」、「経済的保障」に関する考察をしたものである。22「保険本質論」の考察が保険史との関わりで海外の保険本質論も一応カバーしたものの、一般的な考察に止まり、また、大きく取り上げた保険本質論・保険学説はわが国のものであるため、参考文献は国内のものが中心となった。本稿では、「保険本質論」での考察とのバランスにも配慮し、また、術語の問いかけは日本語のみではなく、外国語を問うことによって考察が広がりを見せ、より生産的な議論が展開できると考え、「経済的保障」に関わる「ホショウ」という術語について、海外の文献を中心に参照しつつ考察を進めた。
  「予備貨幣」については、そのルーツを溯るような研究をし、そのルーツは高木暢哉教授にあると考えた。そこで、高木教授と保険学に予備貨幣概念を導入した庭田範秋教授の見解を比較しながら考察を進めた。また、貨幣の流れで保険を説明すべく整理を行った。