社会保険の保険学自助・互助・公助の保険経済学  

  社会保障の見直しが世界的トレンドとなっており、社会保障 の中核を占める社会保険論議は非常に重要である。わが国でも社会保障・社会保険論議は盛んであるが、現在の社会保険論議は、保険学・保険理論無視の極めて問題のある論議であると感じた。このような動向を許したのは、わが国保険学の責任といった側面が強いため、早急に「社会保険の保険学」ともいうべきものが構築され、保険研究者が積極的に社会保険論議に参加すべきとの認識に基づき執筆したものである。社会保険観は保険本質観と関連した重要なテーマでもあり、22「保険本質論」で公的保険を重視した視点を本稿では受け継ぐとともに、「自助・互助・公助の保険経済学」といった基本的視点から論じているということで、これをサブ・タイトルとした。