保険本質論

  わが国保険学界には、本質論アレルギーといったものがあるが、バブル経済の発生・崩壊を市場参加者として目の当たりにし、その過程で保険においても金融偏重の動きが生じたことから、本質論的な問いかけが重要であると痛感していた。保険史と関わらせて保険本質論の整理を行った上で、戦後華々しく展開されたわが国における保険本質論争を踏まえながら、代表的なわが国の保険本質論(保険学説)として経済準備説、経済的保障説(予備貨幣説)、予備貨幣再分配説を取り上げて考察した。保険本質把握のキー・ワードを「経済的保障」、「予備貨幣」に求めることを確認した。