地震保険と自由平等

   阪神・淡路大震災によって、今までと同様地震保険がクローズ・アップされた。もちろん、阪神・淡路大震災に占める地震保険の問題は限定的であるが、地震の度に同じ様なことが問題となる地震保険は、どこかに欠陥のある保険なのであろうという問題意識と、阪神・淡路大震災に対して無力な自分ではあるが、九州大学で保険研究者という立場を得た以上、地震保険を論じるのは保険研究者としての使命ではないかという考えから、地震保険をテーマとした。地震保険に関して全くの素人ではあるが、素人であるがゆえに大胆な発想を持ち得るかもしれないとも考えた。九州大学客員助教授としての処女作に相応しいテーマとも感じた。本稿では、保険行政、保険業界を厳しく批判し、地震保険の強制保険化という思い切った提案をした。