上場債券評価法の改正について

 1993年度決算において選択制で上場債券に原価法適用を認めるとの新聞報道に対し、84条適用に関するのと同様な危機意識を持って、論じたものである。上場債券に原価法を適用することは、運用の観点から理に適っているところもあるが、結局、前年度の84条適用にしても、あまりに資金運用に対する総合的・体系的な考察に欠けると思われる。資産評価の在り方が実際の資金運用行動に影響を与える点を軽視して、あまりに場当たり的な対応を保険行政、保険業界が行っているとして批判した。本稿も時論的なテーマではあるが、13「保険業法第84条の考察」同様保険会社の資金運用における評価損益の取り扱いに関る本質論的な議論も踏まえて、考察したものである。