アセット・アロケーション

 1980年代後半から、金融自由化を背景として保険金融において急速にポートフォリオ運用が定着していった。その理論的支柱は、同時期に急速に実務に普及していった、MPT(Modern Portfolio Theory、現代ポートフォリオ理論)である。MPTの勢いは、1990年のノーベル経済学賞がMPTに貢献した経済学者に贈られたことに象徴されよう。本論文は、社内懸賞論文への応募論文であるため、損害保険会社の資金運用の課題を指摘した。それは、実務に普及しつつあるMPTを積極的に取り入れ、アセット・アロケーションを充実させたポートフォリオ運用であるとした。バブル期の資金運用の反省も含めて、社内の組織等も意識し、組織的なポートフォリオ運用を行うための理論、体制を考察した。