庭田範秋編『保険学』を読んで

 バブル期の目まぐるしい保険の変化によって、現代経済をいかに把握するか、現代経済における保険の本質、といったものに関心が向かい、これまでの勉強・論文が保険金融に偏っていたので庭田範秋編『保険学』に取り組んで、保険を体系的に勉強することとした。同書は、「従来の学理の吸収・摂取の上に、現代的新鮮さを加えようと努めた」大変優れた書物である。しかし、金融自由化を背景として、保険会社の資金運用のみならず資金著唄うが非常に注目されるようになってきたにもかかわらず、同書はこうした保険の金融的側面に対する考察が非常に足りない。具体的な記述を取り上げながら、保険金融に関する考察について批判した。