特集 私たちのもう1つのキャンパス 西新特集

英会話の経験ゼロからの挑戦!
アルバイトで学んだ英語力と伝える姿勢。
 私は西新商店街にあるタイ料理店「ココナッツ福岡カフェ&ダイニング」で大学1年次の4月からアルバイトをしています。元々、海外に興味があり、留学を考えていましたが、カリキュラムの関係で長期留学は難しいかもしれないと考えていた時、この店の求人を見つけました。募集要項に書かれていたのは、「タイ出身のシェフは日本語が話せないため、コミュニケーションは全て英語です」という一文。受験英語しか学んだことがなく、海外の人と話した経験もない私にはハードルが高すぎると、諦めようかとも思いましたが、「留学に行けなくても、ここでならスピーキング力を鍛えられる」と考えを切り替え、挑戦することを決めました。
 しかし、働き始めた当初は、オーダーを通すのも一苦労。ほとんど会話ができず、大きな注文ミスをして温厚なシェフを怒らせてしまったこともありました。今振り返ると、完璧な英語を話そうとするあまり、かえって伝わりにくくなっていたのだと思います。この失敗を体験し、仕事をする上で大切なのは、「正しい英語」よりも、「伝わる英語」であることを痛感。それからは、知っている単語とフレーズを組み合わせ、「伝える」ことに注力しました。すると、理解してもらえる英語表現が徐々に身に付き、アルバイトが楽しい時間に。シェフとも冗談を言い合えるくらいに英会話力も上達しました。3年たった今では、海外でも臆することなく英語で会話ができるまでに成長しています。まさか、海外でも大学でもなく、西新の街で英会話力が伸びるとは、3年前の私には想像すらできませんでした。
アルバイトでの失敗が、
海外ボランティアへの挑戦を後押し。
 私が西南学院大学に入学して挑戦したかったことのもう1つが、海外ボランティアです。子どもの頃から「誰かのために役に立ちたい」という思いがあり、大学で必ず実現したい目標でした。当初は、1年かけて英会話を勉強し、大学2年次に挑戦する予定でしたが、アルバイトで英会話に挑戦した経験が、失敗を恐れる私を少しずつ変えていきました。しっかり準備することも必要だけど、今の自分にできることをやってみるのも大切かもしれないー。英語力に不安はありましたが、この気持ちに背中を押され、大学1年次の夏、マレーシアでの海外ボランティアに参加しました。初めての海外、初めてのボランティアで戸惑うこともありましたが、現地の人と積極的に関わることができたのは、アルバイトを通じて「伝える姿勢」の大切さを実感していたから。言葉が完璧に伝わらなければ、分かり合うことは難しいと思っていた私にとって、この経験は世界を大きく広げるものとなりました。その後も、タイ、インド、タンザニアでの海外ボランティアに参加しました。もし、「ココナッツ福岡カフェ&ダイニング」でアルバイトをしていなければ、ここまで積極的に挑戦することはなかったと思います。将来は、青年海外協力隊に参加することが目標です。
 そして、西新で働いて約3年。私が見つけた西新の魅力は、さまざまな世代の人と交流する機会があることです。親世代の方や子育て中の方を接客する中で生まれる会話には、キャンパスでは得られない気付きや楽しさがあります。ぜひ、皆さんも西新に自分の居場所を見つけ、キャンパスでは出会えない人や経験に触れてみてください。
お気に入りの2品を組み合わせたセットを提案、見事採用に!
 シェフは、「どうすればもっといいお店になるか」を常に考えていて、アルバイトの意見も積極的に聞いてくれます。そんな中、私が提案したのが、「グリーンカレー」と「カオマンガイ」のコラボセット。どちらも私が大好きなメニューで、「両方食べたい!」という熱意を伝えたところ、採用していただくことができました。こんな風にメニューづくりに携わることができるのも、この店で働く楽しさです。また、おいしいまかないが食べられるのも、密かな楽しみです。
通過する街ではなく、
暮らす街としての豊かさが息づく「西新」。
 今回、商学部の「まちづくりと商業」という授業で、「西新」の街について調査する課題に取り組みました。調査のルールは、街の人へインタビューはせず、街を歩き、見て、感じたことをもとに考察すること。大学3年間を過ごしてきた西新という街で、新たな発見があるだろうかー。正直、最初は半信半疑でした。しかし、街の景色や人の流れを意識しながら歩いてみると、今まで気付かなかった街の表情が見えてきました。
 その1つが、あらゆる世代の人たちが西新の活気をつくり出していることです。午前中は、主婦や高齢者の方々が買い物に訪れ、昼から夕方はカラオケなどの娯楽を目的とした大学生や中高生の姿が多く見られます。そして、夕方から夜にかけては、お酒や食事を楽しむ大学生や仕事帰りのサラリーマンでにぎわい、時間帯によって街を利用する人が大きく変化します。このことから分かるのは、西新という街は、単なる“通過する街”ではなく、幅広い世代の生活の一部として機能しているということです。
 そして、こうした多様な人の流れが生まれる背景には、それぞれの世代のニーズに対応できる店舗の多様さがあるからだと考えています。商店街の表通りにはコンビニやドラッグストアなどのチェーン店が立ち並び、生活の利便性を支えています。一方、表通りから1本路地に入ると、昔ながらの八百屋や定食屋が営業しており、何気ないやり取りに温かさを感じることができます。西新に都会的なイメージを持っていた私にとっては、新しさと懐かしさが共存するこの街の姿は、とても新鮮でした。それと同時に、西新という街が多くの人に親しまれている理由を、少しだけ理解できたような気がします。
「変化」と「継承」が共存する。
街の懐の広さが活気の源に。
 もしかすると、長年、西新に慣れ親しんできた世代の方々にとっては、変化していく街並みに寂しさを感じることがあるかもしれません。最近、西新商店街にオープンしたガチャガチャ専門店に違和感を覚える人もいるでしょう。
 しかし、こうした新しいスポットが生まれることは、新たな活気を生み出すために必要なことだと私は考えています。なぜなら、若い世代やほかの地域の人が西新に訪れるきっかけとなり、周辺の店舗へ足を運ぶ流れを生み出すからです。多くの商店街がシャッター通りになりつつある中、西新が今なお活気に満ちているのは、新しい変化を受け入れる柔軟さがあるからだと思います。
 同時に、70年以上の歴史を持つリヤカー部隊が西新を象徴する存在として今なお街に根付いているように、街の歴史や文化を大切に守り続けている点も西新の大きな魅力です。時代に合わせて新陳代謝を繰り返しながら、長く愛されてきた街の風景や人のつながりを守っていく。こうした2つの異なる魅力が調和していることこそが西新の強みであり、これからのまちづくりに必要な要素なのだと感じています。
 今後は、課題を通して得た学びをさらに深め、地元宗像市のまちづくりにも生かしていきたいと考えています。そして、商学部で学んだ知識を生かし、まだ知られていない西新の魅力をSNSで発信するプロモーションを通して、お世話になった西新に恩返しすることが、私の卒業までの目標です。
スマホやイヤホンを置いて歩けば、西新の街が見えてきた!
 普段はスマホ片手に、音楽を聴きながら歩いています。今回は、歩きながらできるだけ多くの情報をキャッチするため、スマホもイヤホンも身に付けず、メモ帳だけを携帯して、五感を意識しながら散策しました。すると、いつもは何も感じなかった人の流れや、これまで通り過ぎていた細い裏路地を発見。気付いたことを一つひとつメモに残すことで、街の見え方が少しずつ変わり、もう1つの西新を知ることができました。皆さんも、スマホやイヤホンを置いて、西新や地元の街を歩いてみると、意外な発見に出合えるかもしれませんよ。
西南生のための、西南生による
“おいしい”が詰まった食情報冊子を制作。
 現在、私が取り組んでいるのは、西南生のための食の情報冊子「Loca-食(まちのご飯案内所)」の制作です。手頃な価格で栄養バランスにも配慮した西新エリアの飲食店の紹介をはじめ、留学生向けのアレンジレシピなどの情報提供を目的に、5名のメンバーとプロジェクトを進行しています。
 私がこのプロジェクトを立ち上げた背景の1つに、学生の食事情があります。自由に使えるお金が限られている学生にとって「食費」と「栄養バランスの偏り」は切実な課題です。外食を楽しみたくても、学生目線で発信される飲食店情報は多くありません。また、私が国際寮で生活していた際、ベジタリアンや宗教的理由で食事制限のある留学生から、「外食できる店や自炊の選択肢が少ない」という声を聞いたことも、きっかけとなりました。
 そこで、メンバー5名と共に西新の飲食店をリサーチし、学生目線で掲載店舗を選定。実際に店舗を訪れ、交渉から取材、撮影までを学生主体で行いました。その中で、「面白そうな活動だね」「うちで良ければ喜んで」といった店の方々の温かい言葉に多く触れ、この冊子をきっかけに、これまで「食べる場所」だと思っていた飲食店が人と人をつなぐ「交流の場」であることを西南生に感じてもらいたいという思いが強くなりました。残念ながら、ベジタリアンやハラル対応の飲食店はかなり数が限られており、また日本食のベジタリアン向けという店は見つけられませんでしたが、留学生向けのアレンジレシピを掲載し、誰もが食事を楽しめるような情報を提供できればと考え作成しました。
 冊子は3月に完成し、西新エリアの飲食店や学内で配布中です。また、冊子に掲載できなかった情報も含め、Instagramでも発信予定です。ぜひ、おいしい食事と一緒に人との交流も楽しんでください。
より良い冊子を作るため、チームづくりも工夫しました!
 冊子制作では、メンバー5名のアイデアを取り入れたものにしたいと考え、自由に発言しやすい雰囲気づくりを心掛けました。また、担当する店舗の選定と原稿執筆を担ってもらうことで、責任感が生まれ、主体的な関わりによりメンバー全員の思いが詰まった冊子を制作することができました。

 硬式野球部では、クリエイティブチームが中心となって、毎年2つの野球教室を開催しています。野球未経験の子どもたちを対象とした「西南初球部」は、実際にボールに触れながら、野球の楽しさを体感。地元の少年軟式野球チームを招いた「西南野球教室」では、「データ野球」をコンセプトに遠投、球速などを計測し、成長や目標の1つとしてデータを活用する指導を実践しました。参加した子どもからは「来年も参加したい」「将来、西南学院大学で野球がしたい」といったうれしい声も。今後もさまざまな工夫を重ねながら、スポーツを通した地域交流の輪を広げていく予定です。

 商学部・松田ゼミ(松田温郎教授)では、食や地域貢献に関する取り組みとして、「子ども食堂」を企画・実施しています。当日は、松田ゼミの3年生・4年生が運営を担当し、地域の子どもや保護者が参加しました。活動を通して、「子どもたちの居場所になるだけでなく、保護者が休憩できる時間を提供したい」といったゼミ生の声も聞かれ、講義やゼミで学んだ知識が社会で役立つことを実感する貴重な機会となりました。

 大学祭では毎年、地域の店舗や団体に出店や企画出演など多くの協力をいただいています。そこで、大学祭実行委員会では、感謝の気持ちを伝える取り組みとして、西新商店街のイベントに参加しています。7月の「高取・藤崎土曜夜市」では射的やかき氷などの縁日の運営、9月の「サザエさん商店街通り夢まつり」ではパレードへの参加やガラポン抽選会の運営を担当しました。こうした活動の積み重ねが、地域とのより深い支え合いにつながっています。今後もさまざまな工夫を重ねながら、スポーツを通した地域交流の輪を広げていく予定です。

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