【学部横断プログラム】DANNY JIN氏トークイベント「ストリートカルチャーから見るパレスチナ-国際法では聴き取れない声」を開催
5月14日(金)、日本・パレスチナにルーツを持つラッパー、DANNY JIN氏をお招きし、「ストリートカルチャーから見るパレスチナ-国際法では聴き取れない声」をテーマにトークイベントを開催しました。本イベントは、現在進行形の国際紛争を自分事として捉え、学部を超えた「総合知」で人道支援と平和構築を実施する学部横断プログラム「共感共苦(コンパッション)の平和学」の一環として開催し、会場となった西南コミュニティーセンターには約80人の教職員や学生、一般の聴講者が来場しました。
本イベントでは、日本人の母とパレスチナ人の父を持ち、ラップでパレスチナ解放を訴え続けているDANNY氏の最新アルバム『19,20』のリリックをひも解きながら、ガザでのジェノサイドや祖父母の死、ミックスルーツとしての苦悩、そして「表現」が持つ平和への可能性について法学部・根岸陽太教授、本学学生と語り合いました。
イベントの前半では、DANNY氏が作曲した楽曲のリリックに込められた思いや背景、そして国際法から見た解釈について根岸教授と対談が行われました。戦争による惨劇を繰り返す社会に対する憤りを表現したDANNY氏の楽曲「history 歴史」に触れ、「日本もドイツも原爆投下やホロコーストの歴史から何も学ばず、イスラエルを支持している。そして、国際社会の二重基準(ダブルスタンダード)により国際法はパレスチナを守ってくれない。だから、パレスチナは国際法に期待していないし、私は国際法に憤りを感じる」とDANNY氏。それに対し根岸教授は「ダブルスタンダードは国際法に突き付けられている課題であり、パレスチナが希望を持てるように変えていかなければならない。専門家は事態を難しく捉えすぎているところがあるため、DANNYさんのように感性に訴えてくれる存在は貴重である」と述べ、戦争に対してそれぞれの立場で考えを示しました。
後半には、本学学生を交えたトークセッションを実施。トークセッションの中で、吉田 莉乃さん(国関法3年)は「イスラエル・パレスチナ問題に対する自身の考えを言語化して伝えるとき、現地の状況を切り取っているだけなのではないかと不安になることがある。DANNYさんは言葉で表現することに葛藤はあるか」と質問を投げかけました。対してDANNY氏は「誰かの思いを語る代弁者ではなく、あくまで自分事として伝えている。表現に迷ってもそのまま歌詞にするようにしている」と表現に対する姿勢を語りました。
本イベントは、戦争や国際法について、楽曲を通してパレスチナにルーツを持つ人の考えや思いに触れる貴重な機会であり、会場の聴講者はDANNY氏の楽曲や話に熱心に耳を傾けていました。
今後も、本学学生がニュースの向こう側の悲劇に対し、無力感を「他者への共感」と「具体的な連帯」へと昇華させることを目的に、学部横断プログラム「共感共苦(コンパッション)の平和学」に基づく取り組みを実施してまいります。



