福岡から全国へ、世界へ、はばたく力を。西南学院大学

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福岡から全国へ、世界へ、はばたく力を。西南学院大学

【法学部】教育推進プログラム「KARDIANOIA模擬入管」:「『心と知』で読み解く難民判例」を実施しました

 2026年6月から7月にかけて、「法学部教育推進プログラム:KARDIANOIA模擬入管」の枠組みにおいて、「『心と知』で読み解く難民判例」プロジェクトを実施しました。本企画は、難民訴訟の一連の流れを「心」と「知」を用いて追体験する実践的な学習プロジェクトです。実務家である駒井知会弁護士の全面的な協力を得て、学生と教員が共に取り組みました。 
 今年度の企画では、基礎的な枠組みとしてウガンダの事例を学んだ後、より複雑な要素を包含するカメルーン英語圏からの政治難民事例(東京地裁2025年6月17日判決・東京高裁2026年4月15日判決)を取り上げました。出身国情報(COI)や物的証拠といった客観的証拠を分析するだけでなく、当事者の陳述書に込められた「本国での体験や帰国への恐怖」、本国に残った家族に証拠収集を依頼した際に起きた困難など、主観的な証拠も用いながら、法制度と現実のギャップを「心」で受け止める試みを行いました。 
 あわせて、各事例について、法学における裁判所の客観的な判断を分析するための「知」を深めました。本企画の意義は、「客観的証拠を集めることの絶望的な難しさ」に焦点を当て、証拠を集めようとすることが命の危険に直結し得る現実を対比させた点にあります。証拠が不十分な状況下にあって当事者の供述の信憑性を汲み取るという、難民認定審査の真のスピリッツ(「疑わしきは申請者の利益に」の原則)を、実例をもとに思い知ることを目指しました。 
 参加した学生のワークにおいては、母国から証拠を取り寄せる際のリスクについて、「家族や協力者が当局に把握される危険」や「拷問経験を再確認させることによる再トラウマ化」など、倫理的配慮や困難に迫る深い考察が寄せられました。「心(感性)」が人間を存在させ、行動へと突き動かす現実から目を逸らすことなく「知(理性)」を展開させて、国際難民法遵守に国を導く道筋を体感することで、高度な法律問題に対する分析力が養われる重要な機会となりました。