2026.01.30
講演会「閖上の記憶~東日本大震災がおしえてくれたこと~」を開催しました
1月28日(水)、西南学院大学ボランティアセンター主催のもと「閖上の記憶」代表の丹野祐子さんをお招きし、講演会を開催しました。西南学院大学では、震災発生後の2011年9月から、被災地へ学生ボランティアを継続的に送り出してきました。こうした取り組みの中で、丹野さんとの出会いが生まれ、以降、講演や交流を通して、震災の記憶や教訓を学生や教職員に伝えていただいています。
「閖上の記憶」は、2011年3月11日に発生した東日本大震災により壊滅的な被害を受けた、宮城県名取市閖上地区に建てられた津波復興祈念資料館です。子どもたちの慰霊碑は閖上小中学校の隣接地「閖上プラザ」内に設置されています。丹野さんは、東日本大震災により、当時中学1年生だった息子さんと義理のご両親を亡くされました。「これから先、誰も同じような思いをする人がいませんように」という願いを胸に、語り部活動を続けておられます。
講演会の冒頭では、「閖上の記憶」のあゆみを紹介する映像資料を視聴しました。震災前、約2,500世帯、5,000人以上が暮らしていた閖上地区は、津波により町の大半が全壊し、住民の6人に1人が犠牲となりました。当時、閖上中学校でも14名の生徒が津波の犠牲となり、丹野さんをはじめとするご遺族の方々の「子どもたちが生きた証を残したい」という強い想いから、震災から1年後の2012年3月11日に慰霊碑が建立されました。
映像視聴後には、丹野さんより「『あの日』に何が起こったのか」について、ご自身の体験をもとにお話しいただきました。当時は津波警報が出ていても危機感を持てなかったこと、警報発令から約1時間後に高さ9メートルもの津波が押し寄せ、最愛の家族と住まいを一瞬で失ったこと、避難所となった体育館や仮設住宅での生活、そして15年間にわたり閖上地区の復旧の歩みを見守ってきた日々が語られました。丹野さんは、「歴史は必ず繰り返すからこそ、語り続けている。決して過去の出来事ではなく、誰にでも未来に起こり得ること。自分ごととして考え、忘れないでほしい。歴史は繰り返すので、私たちは語り続けなければならない」と語られ、その言葉は参加者一人ひとりの心に未来への教訓として深く刻まれました。
講演終了後、参加者たちは、毎年3月11日に閖上地区で行われる「追悼のつどい」において、空へ想いを届ける「ハト風船」に寄せ書きを行い、それぞれが想いを言葉に託しました。
今回の講演会を通して、震災の記憶に耳を傾けながら、今私たちにできることは何か、そしてこれから起こり得る災害とどのように向き合っていくのか、命の尊さについて深く考える貴重な時間となりました。





