2025.06.20
「音楽と国際法 第1回 平和を願う」を開催しました
6月18日(水)、西南学院コミュニティーセンターホールにて、「音楽と国際法 第1回 平和を願う~ナチスドイツを巡る楽曲を題材として~」を開催しました。本イベントは、音楽と国際法という異なる領域が、共に「人間の尊厳」を守る力をもつことを見つめ直す試みで、約90名が参加しました。演奏には、被災地や高齢者施設で「参加型」コンサートを開催している飯野千春さん(NPO法人Music Dream Creation)と本学法学部学生が関わり、国際法の解説を本学法学部の根岸陽太教授が担当しました。
当日は、ナチスドイツに関わる以下の楽曲が演奏・上映され、それぞれについて国際法との関係が解説されました。
① 「夜想曲第20番遺作嬰ハ短調」(ショパン作曲):ジェノサイド条約(集団破壊禁止)・ジュネーヴ諸条約(文民保護)
② 「エーデルワイス」(映画「サウンドオブミュージック」より):武力行使禁止原則・難民条約
③ 「歌の翼に」(メンデルスゾーン作曲):社会権規約(文化的権利)、文化多様性保護条約
④ 「ワルキューレの騎行」(ワーグナー作曲):自由権規約(扇動・プロパガンダ禁止)
⑤ 「交響曲第9番」(ベートーヴェン作曲):国際連合憲章、世界人権宣言、欧州連合(EU)
参加者からは、「どの楽曲の演奏もすばらしかった。音楽も国際法も、人々に立ち上がり行動する力を与えるという点で似通っているのだと知った。しかしながら肯定的な面がある一方、悪用される 危険性もあり、作曲者の意図とは全く違った使われかたをされるのが恐ろしいと感じた。これは国際法も同じだと思う」や、「ピアノの演奏だけでなく、その曲が作られた背景、作曲者の生い立ち、当時の歴史について、さらに国際法との関係まで、あらゆる視点から音楽を味わうことができた。平和のために必要なのは理性と感性の両方であり、両者を調和させ、ひびき合わせることが 世界中の人々に愛と平和をもたらすことにつながるのだと思う」といった感想が寄せられました。
音楽と国際法の関係を知ることで、歴史を見つめ直し、平和について深く考える貴重な時間となりました。