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2025.06.18

【法学部】「社会連携科目A(ジャーナリズム)」において特別講義を開催

 6月13日(金)、法学部「社会連携科目A(ジャーナリズム)(3)(担当:田村元彦准教授)」の授業において、RKB毎日放送株式会社報道局報道部より、今林隆史氏、また番組に出演された法学部鵜飼健史教授をお招きし、特別講義を開催しました。
 講義では、第62回ギャラクシー賞(※)のテレビ部門で優秀賞を受賞したRKB制作の番組「情報は誰のもの?〜ごみ処理施設と情報公開〜」を視聴し、制作した今林氏と出演された鵜飼教授から解説がなされました。この番組制作に至った背景として今林氏は、「田川地区でごみ処理施設の建設などをめぐり情報公開に後ろ向きな自治体の姿勢に疑問を持ち、それからおよそ3年におよぶ取材を行うことになった。ただ、今回の番組では色々な視点がある中で取材の15%程度の内容を発表したに過ぎず、今後まだまだやるべきことがある」と語りました。また、鵜飼教授に出演依頼をした意図について、「政治学を専門としている教員は、公共の問題に関心が高い方が多く、問題を俯瞰して見ることができるため番組のナビゲーターのような役割を果たしてくれると考えた。また、今回のようなマニアックな問題がどのように見えているのかの視点を聞くことができ大いに助けられた。加えて、専門家の鵜飼先生だから言えることもあると考え出演をお願いした」と述べました。鵜飼教授からの「他の作品と比べたとき、何が評価されたのか?」の問いに対しては、「地方局が情報公開のような民主主義に必要だけどマニアックな取材をしたことではないかと思う。これからも地方のメディアが頑張る必要があると考えた」と述べました。
 参加した学生からは、「身近な政治の問題にも住民が関心を持ち続けることが大事だと感じた」、「番組制作の取材に係る労力の大きさや大変さを改めて感じた」、「自分には特に関係ないと思えることでも本当にそうなのか考え、意識しなければいけない」と言った感想が寄せられました。
 学生たちにとって、ドキュメンタリー番組の制作の現場において起こっている事例・山積する課題を、どのように読み取るか、その理解力をより深める貴重な機会となりました。

※ギャラクシー賞・・・放送文化の質的な向上のため全国の民間放送局とNHKの番組を放送批評懇談会の会員が選定するもので、放送関係では最も権威のある賞の一つとされている。今回、テレビ部門では14番組(大賞1・優秀賞3・選奨10)が入賞している。