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2025.03.04

【2024年度 西南学院大学 学部横断プログラム】~世界的視点からジェンダー平等・人権・平和の歴史を拓く~成果報告会を開催しました

2月17日、西南学院大学教育推進プログラムの学部横断プログラム一環として、西南学院百年館で~世界的視点からジェンダー平等・人権・平和の歴史を拓く~成果報告会を開催しました。

 今年度の学部横断プログラムは、現在、世界的にみて、今日の日本社会のジェンダー平等や人権状況が立ち遅れており、世界と日本の平和をめぐる状況も危機的となっている中で、これらのテーマに関心をもつ学生と、この分野で研究・教育を推進してきた教員が共に学ぶことを目的に2024年10月からスタートし、これまでに以下の3回の調査、研究を行ってきました。

 第1回ミーティング(10月23日実施)では、ジェンダーや人権、平和をテーマに、女性の非正規雇用や、性暴力の歴史や背景、徴兵制と平和について、ディスカッションを行い発表したのち、テーマ別グループを発足させました。
 第2回(11月12日実施)は、英国エセックス大学人権センターフェローで、『武器としての国際人権』(集英社新書)の著者・藤田早苗さんをコメンテーターに招き、各グループがテーマに関する問題意識、現状、取り組む課題などを報告しました。藤田さんには、国連女性差別撤廃委員会の日本審査と結果報告をしていただくとともに、各グループの活動へのコメントをいただきました。
 第3回(12月18日実施)は、これまでのグループワークで調査してきたトピックスについて、具体的な達成目標とその手段を発表しました。

 最終回となる今回の成果報告会は、学生各グループがテーマ別にそれぞれ30分の発表を行い、その後、参加学生、教員、大学院生、地域の方々とディスカッションを行いました。
  (1)「ジェンダー・ステレオタイプに囚われない社会を創る」
  (2)「日本とデンマークの人権教育比較」
  (3)「災害時の平和を守る」「平和と徴兵制」
  (4)「軍備拡張は世界を平和にするのか」
 ジェンダー平等の問題に皆が向き合うことが日本の社会問題解決の糸口になることや、日本と外国との人権教育の違い、防災意識向上を目標としたワークショップ開催の必要性、軍備拡張に対する考え方などについて、発表が行われました。

 発表の後の質疑応答やグループ討論では、「『さすが九州』、ほとんどの県でジェンダー格差があることに驚いた」、「藤田さんの本を読んだ。人権意識について、どう伝えるのかが課題」、「平和と災害が結びついたのはなぜか」、「スフィア基準とは」、「西南は避難所になるか」、「軍備拡張や自衛隊に関する社会的議論があまり行われていない」、「知らないうちに、いつの間にか当事者になっているというのは困る」などの質問や感想が寄せられました。

 参加した学生からは「他の学生と学びつつ、討論して、時間をかけて発表を準備した」、「プロジェクトをとおして、いろいろなことを学ぶことができた」、「共通の話題で他の学生と活動するよい機会となった」という感想が寄せられました。学年や学部の枠を越えてそれぞれが深く考え、学ぶ機会となりました。