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2024.12.26

【商学部】在学生向け商学部創設70周年記念講演会を開催しました

 12月16日(月)、商学部創設70周年を記念して、複業家である中村龍太氏(コラボワークス代表、サイボウズ株式会社執行役員)を講師に迎え、「キャリアデザインの考え方:コーゼーションとエフェクチュエーションの観点から」と題した在学生向け講演会を大学チャペルで開催し、約200名の学生が出席しました。
 本講演会は、現代社会では働き方に多様性が見られることを背景に、学生たちが卒業後のキャリアを考える際に役立つ新たな視点や考え方を紹介することを目的に2部制で開催され、 前半に中村氏による基調講演、後半に商学部OBおよび現役生を囲んでのトークセッションが行われました。
 第一部では、コーゼーション※1とエフェクチュエーション※2と呼ばれる2つの思考様式に基づいたキャリアデザインの考え方が、複業家として活動する中村氏自身の経験談や、図解を用いた2つの思考様式の解説とともに説明されました。
 第二部では、卒業生であるgood luck株式会社代表取締役の高村一光氏(17年卒、商学部経営学科)、えそらフォレスト株式会社の赤間俊祐氏(20年卒、商学部商学科)、現役生の山田美羽さん(商学部経営学科4年)をゲストに迎え、中村氏とのトークセッションを実施。参加学生からの質問に答える形で進行し、「学生時代にどんなことをすれば良いか」という質問に対しては、「自分が何者であるかを明確にするためにも、さまざまなことに挑戦し、自身の肩書を増やすことが大事である」と高村氏、赤間氏は「学生時代は特にやりたいことなど明確ではなかったが、誘われたことは断らずとりあえず参加するようにしていた」と述べました。トークセッションを通して、2つの思考様式から、商学部OBおよび現役生が実際にどのようなキャリアを歩んできたか、また今後のビジョンが語られました。
 トークセッションの最後には、学生へのメッセージとして、「学生のうちは特に金銭的な理由でやりたいことができないと考える学生も多いと思うが、リスクを重く捉えすぎる必要はないと思う。多少のリスクが伴っても、やりたいことをするのは楽しいので、恐れずに挑戦してみてほしい」と山田さん。中村氏は「ぜひコーゼーションとエフェクチュエーションの両方を使ってみてほしい。また、挑戦までの過程である、『契機→関心→価値→行動』には、ポジティブな経験や感情を契機とする場合と、ネガティブな経験や感情を契機とする場合がある。この2つをうまく使って積極的に挑戦してほしい」とメッセージを贈りました。
 参加した学生からは、「『手中の鳥の原則』にしたがって、今の自分には何があるのか、自分はどんな人間なのかを考えることは、自己分析にもつながるのではないかと思った」、「自分の将来像がはっきりしていない状況では、少しでも興味があることに関わることや、逆に今まで関心がなかったことを経験することで、自分の得意分野が見えてきて、多くの発見があるのではないかと思った」などの感想が寄せられ、在学生にとって2つの思考様式への理解が深まるとともに、卒業生の体験談や活躍に触れる貴重な機会になりました。

※1コーゼーションとは、目的に対して最適な手段を追求する思考様式のこと。キャリアデザインにおいては、最初に明確な目標や夢を掲げ、達成に必要な行動を選択していくプロセスとして理解される。
※2エフェクチュエーションとは、手元にある資源や手段を活用して得られる効果を追求する思考様式のこと。キャリアデザインにおいては、今の自分の関心や経験などを起点に、行動を起こしながらキャリアの見通しを広げていくプロセスとして理解される。 

コラボワークス代表、サイボウズ株式会社執行役員を務める複業家の中村龍太氏。