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2024.12.17

特別講演「国際情勢認識と日本外交の展望」を開催しました

 12月11日(水)、2号館304教室にて、外務省総合外交政策局政策企画室長の権田藍氏を招き、「国際情勢認識と日本外交の展望」と題した講演会を開催しました。この講演会は法学部「地域研究I(担当:クリス・ウィンクラー教授)」の授業内で行われたもので、法学部学生を中心に約100名の学生が参加しました。
 権田氏は、オーストリアやインドでの自身の外交官としての豊富な経験を紹介した後、国際情勢の推移と日本の外交活動をとりまとめた「外交青書」に基づき、現在の国際情勢と日本外交の展望について講演しました。
 権田氏は、現在の国際社会について、グローバル・サウスの台頭や安全保障の裾野拡大、さらにはロシアのウクライナ侵略によるポスト冷戦期の終焉など、歴史的な転換点にあることを指摘。また、日本周辺の安全保障環境においても戦後最も厳しく複雑な状況にあると解説しました。このような状況下での日本外交について、「「人間の尊厳」という最も根源的な価値を中心に据え、世界を分断や対立ではなく、融和と協調に導く外交を展開する」という基本方針のもと、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の推進や、同盟国・同志国との連携強化を進めていることが述べられました。
 最後に権田氏は「国際社会が複雑・不透明になる中、日本の外交力がますます重要になっています。日本の将来を担う皆さんが、様々な立場から外交にかかわり、国内そして国際社会で活躍されることを願っています」と学生たちへメッセージを贈りました。
 講演後には質疑応答が行われ、ODAにおけるJICAと政府の役割分担、核兵器問題、日韓関係、文化外交の可能性など、学生から多岐にわたる質問が寄せられ、権田氏は一つ一つ丁寧に回答し、講演会は盛況のうちに終了。学生たちにとって現代の国際情勢と日本外交の方向性について理解を深める貴重な機会となりました。