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2024.10.18

倉田 康路教授(人間科学部)が「日本看護福祉学会賞 学術賞」を受賞しました

 人間科学部の倉田 康路教授が、著書『人を支える誠意-社会福祉実践における価値規範の探求-』(川島書店、2023 年発行)において、「日本看護福祉学会賞 学術賞」を受賞しました。

 同賞は、複数の推薦著書のなかから、学会賞審査委員が評価基準 3 項目(①看護福祉の発展への貢献②社会に向けての普及・啓発性③臨床・教育・福祉実践への貢献)について評価し、なかでも優れている研究書に対して、その業績を顕彰するものです。倉田教授の研究は、従来 抽象的な概念として捉えがちであった「誠意」を社会福祉実践における重要な価値規範として位置づけ、多くの調査に基づき実証的に検証して新たな概念形成を試み具体的な内容と意義を明らかにした点において、独創性と重要性が高い研究であり看護社会福祉の波及効果が高く、学術賞としてふさわしいとの評価を受けました。なお、本著書は日本看護福祉学会における最初の学術賞となります。

 この度、本学においても倉田教授の功績をたたえ、優れた研究活動成果であるとして今井学長より 10 月 17 日に表彰が行われました。

 倉田教授は「日本看護福祉学会賞 学術賞」の受賞について、「本書をまとめるきっかけとな ったのが、これまで長年携わってきた介護サービス苦情処理委員として、苦情申立人が『誠意が感じられなかったから苦情にしました』という言葉でした。人は人に対して誠意を求め、感じられた時には好意的に、感じられない時には否定的に受け取られてしまう。その誠意とは何だろうかという問いを、ケアを受けている人、ケアをしている人などへの聞き取り調査をして探っていきました。このような賞をいただき、改めて誠意という言葉の重みを感じています」とコメントしました。