2024.08.27
「2024年度日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議」シンポジウムを開催しました
8月26日(月)、西南学院大学コミュニティーセンターにて、「2024年度日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議」のシンポジウムを開催しました。この合同学生会議は、「日本・イスラエル・パレスチナ学生会議(JIPSC)」が主催するもので、イスラエル・パレスチナ両地域の大学生が日本に集い、福岡と東京で2週間寝食を共にしながら、紛争に対する考えや自身の体験を語り合い、日本の大学生とともに対話の実現を図りました。また、この合同学生会議は、西南学院大学学部横断プログラムによる支援を受けており、本学からは3名の学生が参加しました。
シンポジウムでは、パレスチナから参加したタレクさんが「パレスチナにいる時は、周りの人を助けることもできず自分の無力さを感じることもあった。今回のプログラムで、自分の声を通じてパレスチナの現状を世界に届けたいと思った」と参加の動機を述べました。また、イスラエルから参加したダニエルさんは「お互いの目を合わせて立場の違う人間が話し合うことがとても重要である。解決に向けた対話をしたい」と述べました。パレスチナから参加したダナさんは「私たちは人間。兵士ではなく市民で、誰かの父であり母、妻であり夫、娘でありここにいるみなさんのように夢を持った存在です。文化をもち、仕事があり、家族がいる。これまでの国際機関の行動には失望している。私たちはグラフや表の中の単なる数字でない。今も苦しんでいる人がたくさんいる。」と訴えかけました。
また、法学部 国際関係法学科1年吉田莉乃さんは、「今回の交流を通して、知識を持つだけでなく、直接体験を聴くことの必要性を強く感じた。紛争がいかに人々を悲しみに導くか、直接的な解決に結びつかないとしても、自分たちの問題として考えることが大切だ」と述べました。法学部 国際関係法学科1年吉田菫さんは、「実際に経験した人の言葉の重みを感じた。アイデンティティが異なっても、お互いに歩み寄れば未来が変わっていくと思う。本や論文を読むだけでなく、自分の目で見て聴くことを大切にしたい」と述べました。外国語学部 外国語学科3年吉永真史さんは、「紛争で自由や生活、大切な命が簡単に奪われる現実を前に何も語ることができなかった。対立の狭間に置かれた人々がどんな思いを抱えているのか考え、知る努力を続けたい」と述べました。
この合同学生会議は、立場の異なる参加者それぞれが顔や声を持つひとりの人間であることを自覚し、相手の立場を考えながら対話を重ねることで、今後の平和構築に向けた意識を見直す貴重な機会となりました。