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2024.08.21

法学部 根岸ゼミの学生が「心と知で読み解く難民裁判」を実施しました

 根岸ゼミの学生が授業の一環として「心と知で読み解く難民裁判」を実施しました。本企画は、ウガンダから政治的活動を理由に迫害を受けたとして逃れてきた方の事件を素材に、難民訴訟の一連の流れを「心」と「知」を用いて追体験するものです。この事件は、地方裁判所が難民該当性を否定したのに対して、高等裁判所が一転して難民として認めた逆転裁判となっており、両裁判所を比較することで難民に寄り添う姿勢が養われることになります。

訴訟を追体験するにあたっては、実際に事件を担当した駒井知会弁護士(マイルストーン総合法律事務所)に特別講義を行ってもらいました。学生と教員はウガンダの出身国情報(COI)や判決文などのアクセス可能な情報を分析しますが、それだけでは訴訟当事者の置かれた状況を深く理解することができません。そこで、申請者に寄り添い続けた駒井弁護士から、裁判手続の中で当事者の「恐怖」を示すモデル陳述書(本物の陳述書を本人の許可を得てIDが分からないように変更を加えたもの)や、どのような証拠を提出したのかにつき紹介していただきました。

駒井弁護士の講義を受けた学生からは次のような感想がありました。

「陳述書を読んでいつのまにか難民申請をしている人の人生に入り込んでいる自分がいました。書かれている内容自体は変わらないのに、目線が難民申請者になることによってこんなにも感じ方が違い、自分事として捉えられるということに驚きました。」

また、8月3日(土)のオープンキャンパス(OC)では、ゼミ生たちが自分たちの学びを地域社会・次世代に還元するために、OCへの参加者に向けて、授業の内容を再現しました。

OC参加者からは次のような感想をいただきました。

「地裁は確たる証拠のない申請者の供述に対し一貫して認めない姿勢をとったが、高裁は申請者の心情やウガンダの情勢に鑑みて寄り添う姿がみられる。」

 

より詳細な内容については、報告書を参照ください。

https://docs.google.com/presentation/d/1471nBQuJSckjQ0Vx4gWvDu4GP2gkNyqxr5IygYZfg-k/edit#slide=id.g2ef68653c6d_0_4

 

※なお、このイベントは、法学部の国際法学習プログラムKARDIANOIA(https://www.seinan-kardianoia.com/)の一環として、学部教育推進プログラム(法学部)の支援を受けて実施しました。